学資保険をおすすめしない4つの理由とは?代わりとなる商品も解説

学資保険とは、子どもが大きくなったときに必要になる教育費を効率的に貯蓄するための保険です。

子どもが生まれるとこの保険に入るものが当然だと考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし、ものごとにはすべてメリットとデメリットがあり、学資保険が常にベストの選択だとは限りません

それをしっかり認識していないと思わぬ損失を被ることにもなりかねません。そこで、保険加入を検討する際に参考になるように、学資保険の特徴や実状などについての解説をしていきます。

学資保険のデメリットとは?把握しておきたい4つのポイント

学資保険には、主に次の4つのデメリットがあります。後悔のない保険選びのために、加入前にデメリットについてよく理解しておきましょう。

期間のわりに利率が低い

学資保険の利率は保険会社やプランによっても変わってきます。

数値の高いものにはドル建てで返戻率120%を超えるものもありますが、これはあくまでもドル換算の数値です。もし満期時に円高になっていると、円に換える際に保険金が大きく目減りしてしまいます。

また、110%を超えるものになると18年満期の保険の保険料を最初の10年で全額支払わなくてはならないなど、条件が厳しいものが増えてきます。

そうしたものを除いた学資保険の返戻率を見てみると、相場は102%~105%といったところ。そう考えると利率は意外と低いことがわかります。

仮に、返戻率が105%だとすると200万円の貯蓄が210万円になるだけです。もちろん、10万円がはした金というわけではありませんが、20年近くも預けていてこれだけしか増えないのでは少し物足りないのではないのでしょうか。

返戻率計算式

さらに、元金より増えるのならまだよいのですが、子どもが病気になったときのことなどを考えて医療保険の特約をつけたりすると、返戻率が100%を割り込んでしまう可能性もあります。

それでは教育費を増やすという当初の目的が果たせなくなり、なんのために学資保険に加入しているのかが分からなくなってしまいます。

途中解約時に戻ってくるお金が少ない場合がある

保険に加入後、どうしても保険料を払うのが苦しくなったり、解約をして返戻金を別のことに使わなければならなくなったりすることも、場合によってはあるでしょう。

しかし学資保険は定期預金などとは異なり、途中で解約すると戻ってくるお金が元金を大きく下回ってしまう可能性があります。特に、解約した時期が加入して間もない頃であれば損失割合もそれだけ大きくなってしまいます。

そのため、短期間で解約をしてしまう可能性がある人には学資保険はあまりおすすめできません。

加入期間の目安

契約内容にもよるが、返戻金が元金を上回る目安は10年

学資保険を検討する際には、最低でも10年先までの生活プランをしっかりと見据えたうえで保険に加入する必要があります。

たとえば、満期保険金を少しでも多く受け取りたいからといって、毎月の保険料を支払い可能範囲ギリギリまでに高めたりするのは避けた方がよいでしょう。

最初はなんとか保険料を払えたとしてもローンや生活環境の変化などで出ていくお金が増えていくとたちまち支払いに窮してしまうからです。

インフレリスクに対応できない

学資保険は貯蓄を確実に増やせるのが魅力です。貯金だとついつい他のことに使ってしまい、なかなか思うように貯まらないものです。それに対して、学資保険は毎月支払う額が決まっているので否応なく貯蓄が増え続けることになります。

そのうえ、定期預金などはお金を預けてもほとんど利子はつきませんが、学資保険は満期まで保険料を払い続けることで、しっかりと上乗せ分がプラスされます。ところが、ここに落とし穴があるのです。

学資保険が満期を迎えるのはおよそ15年~20年後。もしその間にインフレが起きたらどうなるでしょうか。

学資保険の利率は景気の動向に関係なく一定であるため、相対的に保険金の価値が目減りしてしまうのです。それならば、景気の動向に合わせて金利が変動する定期預金の方がよかったということにもなりかねません。

日本の物価はあまり上がらないから大丈夫だと思う人もいるかもしれませんが、経済というのは常にインフレとデフレの繰り返しです。資本主義国家である以上、インフレが永遠にないということはまず考えられません。

経済は数年もあればその様相をがらりと変えてしまう可能性がありますし、ましてや15年後、20年後にどうなっているかは誰にもわからないでしょう。

もし、20年の間に物価が2倍になっていれば保険金の価値は実質半分になるわけで、これは決して看過できないリスクだといえます。

税金がかかる可能性がある

満期金がある保険では、支払った保険料よりも受け取る満期金の額が多額になる場合に課税の対象となることがあります。

満期金の受取人が契約者と同一の場合には所得税が、異なる場合には贈与税の支払いが発生する可能性があるため注意しましょう。

課税対象となるパターンとは

  • 一時所得として所得税の課税対象となるパターン
    「契約者=満期金の受取人」で満期金を一括で受け取り、かつ「満期金額-払込保険料-50万円」の計算式で算出された金額がプラスになる場合
  • 雑所得として所得税の課税対象となるパターン
    「契約者=満期金の受取人」で満期金を年金として受け取り、かつ「年間の年金額-その金額に対応する払込保険料」の計算式で算出された金額がプラスになる場合
  • 贈与税の課税対象となるパターン
    契約者と満期金の受取人が異なる場合、「受取満期金額-110万円(贈与税の控除額)」の計算式で算出された金額がプラスになる場合

学資保険の代わりになる保険商品とは?

子どもの学費に備えられる保険は学資保険だけではありません。学資保険の代わりになる保険商品を2つ紹介します。

学資保険の代わりになる保険商品

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険の特徴

  • 保険料の払込み期間中は一般の終身保険よりも解約時の返戻率が低い
  • 保険料払込み期間終了後に解約すれば、これまでに支払った保険料を上回る解約返戻金を受け取れる

学資保険の代わりに加入する場合、妊娠・出産時に「払込期間を18年~20年」にして加入し、子どもの学校卒業・大学入学のタイミングで解約する方法があります。保険期間中は親の保障も厚くなるため、万が一の際にも備えられます。

ただし、加入の際はすでに終身保険に加入している場合は保障が重複する点、解約後には保障がなくなってしまう点に気をつけましょう。

個人年金保険

大学入学後から毎年年金を受け取れるタイプの学資保険は、個人年金保険に似ています。親の個人年金保険の年金受取期間を、子どもの大学進学と合わせれば、年金を学費に充てられるでしょう。

契約者が死亡した際にはそれまで積み立てた保険料を死亡保険金として受け取れます。個人年金保険は生命保険料控除の対象で、かつ一般生命保険とは別枠での控除となるため、個人年金保険に未加入の方は税金対策の観点で検討してみても良いかもしれません。

こんな人におすすめ

  • 子どもが学資保険に加入できる年齢を超えてしまっている
  • 親の万一の際の保障が十分にあり、死亡保障等を必要としない

学資保険のメリットと検討してもよい人の特徴

これらデメリット等を踏まえても、学資保険を検討してもいいケースがあります。

学資保険のメリット

  • 普通預金よりも利回りが良い
  • 確実に教育資金を貯められる
  • 万が一に備えられる
  • 生命保険控除を受けられる

学資保険のメリットは、普通預金よりも利回りがよく、生命保険料控除を受けながら確実に子どもの教育資金を貯められ、万が一の際にも備えられる点が挙げられます。

長引くゼロ金利政策によって、普通預金の金利は0.001%程度で推移しており、いくら預金してもほとんど利子がつきません。学資保険の場合、契約内容にもよりますが満期金の返戻率は105%前後のものが多くあります。前述のとおり満期金を200万円に設定して保険に加入した場合、約210万円になるため普通預金に比べれば有利といえるでしょう。

また、生命保険料控除を受けられるのも利点です。その他の生命保険に加入していない方、加入していても年間の一般生命保険料が8万円未満の方は学資保険への加入で所得税と住民税の負担を軽減できます。

契約者(親)が死亡・高度障害になった際に、以降の保険料の支払免除や育英年金を受けられる学資保険なら万が一の際も安心です。

学資保険を検討してもよい人の特徴

学資保険を検討してもよい人は、貯金が苦手な人や教育費の準備と保障を両立させたい人です。貯金ではついお金を使ってしまってうまく貯められないことがあります。

保険であれば毎月一定額を支払わなければならず、引き出すこともできません。また、契約者に万が一の際に学費が用意できない不安がある人も、学資保険が向いています。

貯金するのが苦手な人

学資保険に加入する必要性が高いのは貯金をするのが苦手な人です。

子どものために教育費を蓄えたいけれどついついお金を使ってしまうという人であれば、学資保険は目的を達成するための後押しとなってくれます。そのうえ、普通に貯金をするよりも上乗せ分が期待できます。

ただし、その場合でも、途中で支払いが苦しくならないように保険料は無理のない額に設定しておくことが大切です。逆に、計画性があってしっかりと貯蓄のできる人は学資保険の必要性はそれほど高くないかもしれません。

教育費の準備と保障を両立させたい人

教育費の準備と「親が万が一の際」の保障を両立させたい人は、保障重視タイプの学資保険への加入を検討しましょう。

学資保険では、親である契約者が万が一死亡した際には、保障はそのままに以降の保険料の支払が免除されます。また、育英年金が付いた学資保険の場合、契約者の死亡後は育英年金として毎年年金が受け取れます。

前述した低解約返戻金型終身保険では、学資保険にあるような保険料の払込免除と保障の継続、育英年金はありませんが、被保険者(通常は親にする)が万が一があった場合は死亡保険金が支払われるため、結果的に教育費の準備と「親が万が一の際」の保障を両立させることができます。

学資保険の返戻率を高めるためのポイント

なるべく満期時に受け取る金額を高くしたいと考えているのなら、学資保険に加入する際に次のポイントに気をつけ保険内容を決定しましょう。

保険金の受取回数をできるだけ減らす

学資保険の支払い例

学資保険の保険金の受け取りには以下のような方法があります。

学資保険の受け取り方法

  • 保険期間の満了時にまとめて保険金を受け取る方法
  • 小学、中学、高校、大学と進学のタイミングで分割して受け取る方法
  • 大学進学時から4年間毎年一定額の保険金を受け取る方法

学資保険の返戻率をなるべく高くしたいのなら、保険金の受け取り回数が少なくなる保険を選びましょう。もっとも返戻率が高くなるのは、満了時に一括で保険金を受け取れる保険です。

やみくもに保障を付けない

学資保険の保険金の返戻率は、保障の有無によっても変わります。もっとも返戻率が高いのは、保障が付いていない学資保険です。

育英年金や子どもの傷害・医療補償を学資保険に付帯させると、返戻率が100%を下回る「元本割れ」が起こることもあります。

特に注意したいのが、すでに生命保険や医療保険に加入されているケースです。生命保険や医療保険でリスクに備えているのにもかかわらず、学資保険に保障を付けて加入すると保障が重複します。

保険の特約は保険料の負担も増やしてしまうため、返戻率を重視する場合、保障の付帯は最低限にとどめましょう。

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