学資保険にはいくら必要?満期金額から考える保険の選び方

子どもの学費への備えとして、学資保険に加入される方は多くいます。「子どもの教育資金に関する調査2021」では、高校生以下の子どもを持つ親の半数が「大学進学のための資金として学資保険を利用している」と解答しています(ソニー生命調べ)。

しかし保険料が負担にならないか不安という方も多いでしょう。子どもが大きくなるにつれ、学校関連の費用や食費が増えていきますし、学資保険の保険料の目安は知っておきたいところ。

ここでは、学資保険の保険料とあわせて子どもに用意すべき教育資金はいくらなのか、また学資保険で受け取れる満期金額について紹介します。

学資保険の保険料はいくら?月々の教育資金平均支出額

少子化に反比例して増す学費に対し、多くの親は不安を感じていることでしょう。

毎月の積み立て額を大きくすれば貯蓄額は増えますが、その反面、家計を圧迫することにもなるので悩んでしまいますよね。

子どもの学費への備えとして、預貯金の他に学資保険という選択肢もあります。

学資保険は毎月の保険料を無理のない範囲で設定できるため、「学費の積み立てが負担で続けられない」といった事態は避けられるでしょう。

子どもの教育資金の積み立て分として、多くの親は毎月どのくらいの金額を用意しているのでしょうか。ソニー生命が実施した「子どもの教育資金に関する調査2021」によると、子どもの進学費用に備えるための月の平均支出額は1万4189円とのことです。

保険料は支払い方法によって変わる?

学資保険の支払方法は複数あります。イメージしやすいのは、毎月支払う月払いでしょう。それ以外にも、半年に1度支払う半年払いや年に1回支払う年払いなどがあります。

払込み方法によって保険料が変わるため、保険料の払込総額を抑えたい方は「なるべくまとめて保険料を支払う」ことを意識しましょう。

例えばA社の学資保険では、次のように保険料の払込総額が変わります

契約者の年齢が30歳で子どもが0歳、払込期間は10年、22歳で総額240万円の保険金が受け取れる学資保険のケース

  • 月払いの総額 189万4560円
  • 半年払いの総額 188万8240円
  • 年払いの総額 188万360円

まとめて保険料を支払うとなると、1回あたりの支払額が高額になるため家計の状況によっては難しいかもしれません。ボーナス月に加入するなど工夫するとよいかもしれません。

支払い金額によって満期の受け取り金額も変わってくる

加入時期や満了金の使い道次第で学資保険の月額保険料は大きく変わってきます。保険に詳しくない人だと、「5千円ぐらいなら無理なく支払いができそう」と感じるかもしれません。しかし、5千円だと満期に受け取れる金額もそれ相応に少なくなります。

「毎月の支払いをどのくらいに収めたいか」だけでなく「満期金としていくら受け取りたいのか」も合わせて考えましょう。

積立開始時期はいつが多い?

積立開始時期の年齢別グラフ

学資保険の加入は早ければ早いほど返戻率が高まります。そのため、積み立て開始時期を「妊娠中」とする方も多いようです。

積み立て開始時期(加入時期)で最も多いのが、「0歳」です。出産してすぐに学資保険を検討・加入される方が半数以上を占めます(※)

妊娠・0歳時での加入を合計すると約7割です。子どもの学費の積み立ては、ほとんどの親が出生時点から行っていることがわかります。

(※)平成28年4月~平成29年3月の日本生命保険相互会社の契約データによる

満期金の受け取り額はいくら?

大手の保険会社のホームページを確認したところ、満了金の受け取り額はだいたい100万~300万円が相場のようです。受け取り金額が150万円を超えれば公立高校3年分の学費はまず大丈夫でしょう。その場合、学資保険の月額は約7000円となります。

もし私立大学4年間の学費をすべて満了金で補うとなると保険料は大幅なアップが必要となります。

私立大学4年間の学費は平均650万円なので、仮に返戻率が110%の利回りが良い学資保険に加入し、0歳児から積み立てをしていたとしても月額保険料は3万円はかかります。住宅ローンなど他の費用も考えると月毎に約3万円支払うのは少し厳しい家庭が多いのではないでしょうか。

学資保険は途中で解約してしまうと積み立て分がほとんど戻らないデメリットがありますので、高額の保険には慎重になるべきでしょう。

私立大学4年間にかかる学費の半分程度、約300万円の満了金であれば月額保険料は1万5000円前後で済みます。この1万5000円という数字は学資保険の平均保険料程度の額ですのでバランスは良いといえるでしょう。

満期金にかかる税金はどうなる?

学資保険に加入する際には、将来的に受け取れる満期金についてもよく考える必要があります。満期金を受け取った際、場合によっては税金が発生する可能性があるからです。

満期金に対して税金が発生するのは次の3つのパターンにあてはまるときです。

①契約者と満期金の受取人が同一で満期金を一括で受け取った場合

一時所得として所得税が発生する可能性があります。「受取満期金-支払った保険料-特別控除50万円」の計算式で算出された金額がプラスになる場合、一時所得として所得税が発生します。

課税の対象となるのは「一時所得×2分の1」の金額です。給与所得者は、課税の対象となる金額が20万円以下の場合は確定申告を行う必要はありません。税率は収入によって変わるため、国税庁のHPより 所得税の税率を参考にしましょう。

契約者と満期金の受取人が同一で満期金を年金で受け取った場合

満期金を年金として受け取った場合には、雑所得として課税の対象になるケースがあります。「年間の年金額-その金額に対応する払込保険料」の計算式で算出された金額が、プラスになる場合は雑所得として収入に組み入れ、所得税を支払います。

所得税の税率は、満期金を一括で受け取った際と同様、所得税の税率を参考にしましょう。

契約者と満期金の受取人が異なる場合

契約者と満期金の受取人が異なる場合、贈与と見なされ贈与税が発生する可能性があります。

「年間受取満期金額-110万円(贈与税の控除額)」 の計算で算出された金額がプラスの場合は、贈与税の課税対象です。

満期金以外にも贈与を受けている方は、その金額も加えて計算するため、計算式が「満期金以外の年間贈与額+年間受取満期金額-110万円」に変わります。

贈与税は贈与額によって段階的に税率が設定されており、控除後の課税対象額が300万円以下で15%、3000万円を超えると55%に達します。

必要な教育資金が変わってくるポイント

必要な教育資金は、子どもの進学状況によって変わる点にも注意しましょう。幼稚園から大学まで私立に通う場合は総額で2000万円以上、すべて公立では800万円程度です。

塾に通うか否か、大学から大学院に進むかどうかによっても学費が大きく変わります。例えば、将来医師になりたい場合、学校に通う期間は6年間、大学の学費だけで約2000万円かかることもあります。

高校ではなく高専(高等専門学校)に通い、その後就職するケースでは、5年間の学費は100万円程度です。高校卒業後に専門学校や大学に通うよりも学費が大きく抑えられます。

「子どもが将来どんな道に進んでも対応できる学費を用意したい」と思うのなら、数千万円単位の学費を用意しなければなりません。とはいえ、学費への備えが家計を圧迫するようでは現在の家族がないがしろになってしまいます。

現在と将来のバランスを考えつつ、無理のない計画で教育資金を用意しましょう。

学資保険の選び方と注意点|保険を選ぶ際に重要なポイント

学資保険でもっとも重要視するべきポイントのひとつは返戻率(へんれいりつ)です。

もし110%の保険に契約していれば、300万円支払い時、満了期には330万円受け取れる計算です。ただし解約してしまうと返戻率が下がり元本割れすることもあるので注意しましょう。学資保険の返戻率は100~120%程度が多いようです。

中学や高校入学時など、時期ごとに分割で満了金を受け取れる保険もありますが、満期の受け取り額を重視するなら、このタイプは向いていません。なぜかというと、多くのお金を長期間預ける方が返戻率は高くなるからです

また学資保険は子供が病気になった際の特約などをつけることができますが、病気の費用は国民健康保険に入っていれば3割負担で済ますことができます。特約が本当に必要性かどうか、よく検討してみることが大切です。

保険契約時の注意点

特約をたくさんつけると、その分返戻率が下がります。学資保険の目的は「子供の学資金を確保する」ことなので、その観点でいえば特約にはできるだけ入らず、月々の支払額を減らして返戻率を上げることを考えた方が良いでしょう。

また、学資保険以外にも子供の学資金を確保する方法はあります。

たとえば「自分で貯められる」という人であれば、定期預金・普通預金を利用するのもいいでしょう。

生命保険の一つである「低解約返戻金型保険」も学資保険と比較した返戻率は悪くないので、選択肢のひとつと考えてもよいかもしれません。「学費=学資保険」と決めつけず自分にあった保険を探しましょう。

保険料を設定する際の注意点

学資保険は途中で解約すると元本割れしますので、加入前の見積もりは慎重に行いましょう。万が一収入が減っても対応ができるように、保険料は少し余裕をもった金額にしておくのがおすすめです。

児童手当など世帯向けの制度も考慮して、学資保険はそこではカバーできない内容を補うようなプランを考えてください。

ファイナンシャルプランナーや保険の代理店に相談するのも良いアプローチです。学資金のベストな金額を考えるのは意外と難しいので、プロの目線でアドバイスを受けるのは有意義です。

月々の生活費を考えると保険料はできるだけ抑えたいところですが、いざ子供の大学入学などを迎えたときに「もう少し金額を上げておくべきだった」と後悔するような事態も避けたいでしょう。

目標とする満了金はいくらなのか、子供は何人いるのか、返戻率と特約のバランスは適切かどうかをよく考慮して学資保険を選ぶようにしてください。

学資保険の控除金額はいくら?

学資保険の保険料は生命保険料控除の対象です。忘れずに年末調整で申請しましょう。個人事業主の方も、確定申告時の申請で所得税と住民税を軽減できます。

生命保険料控除を申請できるのは、保険料を支払っている人です。契約者・保険料の負担者が父親だった場合には、父親の年末調整で控除されます。

学資保険の保険料は「一般生命保険料」として控除されます。

申請方法

給与所得者は、職場から受け取る「給与所得者の保険料控除申告書」に保険料を記入して、生命保険会社から郵送される「生命保険料控除証明書」を添付して提出します。

給与所得者の保険料控除申告書に記載する金額は、生命保険料控除証明書に記載されています。

控除額の計算方法

生命保険料控除には、新方式と旧方式があります。契約締結日が2011年12月31日以前なら旧方式、2012年1月1日以降なら新方式で計算しましょう。
控除額の計算式は次の通りです。

年間の支払保険料 控除額
2万円以下 支払保険料の全額
2万円超4万円以下 支払保険料等×1/2+1万円
4万円超8万円以下 支払保険料等×1/4+2万円
8万円超 一律4万円
年間の支払保険料 控除額
2万5,000円以下 支払保険料の全額
2万5,000円以上5万円以下 支払保険料等×1/2+1万2500円
5万円超10万円以下 支払保険料等×1/4+2万5000円
10万円超 一律5万円

参照

まとめ

銀行預金や積み立てではほとんど利子がつかないため、思ったように資金を貯められないのが現実です。より効率的に学費を準備したいのなら、高い利回りと保険料による税金対策がどれくらい見込めるかもふまえて学資保険を検討してみましょう。

また加入の際には、「満期金が課税対象になるかもしれない」ことを念頭に置き、加入前に課税対象になる可能性があるのか、試算しておくと安心です。

満期金額と保険料支払のバランスを考え、無理のないプランにすることをおすすめします。

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