変額保険と投資信託の違いとは?メリット・デメリットも比較

変額保険と投資信託、どちらを選べばよいのだろう
資産形成を始めたいと考えたときに、このように悩む方は少なくありません。
どちらも運用成果によって資産が増減する金融商品ですが、仕組みや目的には大きな違いがあります。
この記事では、変額保険と投資信託の違いやメリット・デメリットを比較し、それぞれに向いている人について詳しく解説します。
- 変額保険と投資信託の基本的な違い
- それぞれのメリット・デメリット
- どちらがおすすめか
- 併用はできるのか



変額保険と投資信託の基本的な違い

変額保険と投資信託はどちらも株式や債券などで運用されますが、目的が異なります。
変額保険:保険による保障+資産形成
変額保険は、万が一の際に備える保険の保障機能と、資産形成機能を兼ね備えた保険商品です。
支払った保険料の一部が投資信託などで運用され、その運用実績によって将来受け取る解約返戻金や満期保険金が変動します。
死亡保障を確保しながら資産形成を目指せるため、将来のための資金準備と保障を両立したい方に適しています。
ただし、運用状況によっては受取額が払込保険料を下回る可能性がある点には注意が必要です。
投資信託:資産を増やす目的のみ
投資信託は、資産を増やすことを目的とした金融商品です。
投資家から集めた資金を運用の専門家が株式や債券などに投資し、その運用成果に応じて利益を狙います。少額から始められ、複数の資産に分散投資できる点が特徴です。
一方で、保険のような死亡保障や医療保障は付いていません。
将来の資産形成を重視し、保障よりも効率的な運用を目指したい方に適した選択肢といえるでしょう。
2つの主な違いは?
変額保険は保険機能を持ちながら資産形成を行う商品である一方、投資信託は資産を増やすことを目的とした金融商品です。
主な違いをまとめると以下のようになります。
| 変額保険 | 投資信託 | |
|---|---|---|
| 保障 | あり | なし |
| 運用 | あり | あり |
| 死亡保障 | あり | なし |
| 手数料 | 比較的高い | 比較的低い |
| 柔軟性 | やや低い | 高い |
| 税制優遇 | 一部あり | NISA利用可 |
上記のように、変額保険と投資信託は似ているようで役割が大きく異なります。
変額保険の特徴

運用実績によって受取額が変動するため、メリットだけでなくリスクも理解しておくことが大切です。
ここでは、変額保険の主な特徴について詳しく解説します。
保障と資産形成を両立できる
変額保険は、万が一の際に備える保障と将来に向けた資産形成を同時に行える保険商品です。
死亡保障を確保しながら、保険料の一部を投資信託などで運用するため、運用成果によっては資産を効率的に増やせる可能性があります。
そのため、家族への保障を準備しつつ、老後資金や教育資金などの形成も目指したい方に適しています。
ただし、運用実績によって受取額が変動するため、リスクを理解したうえで加入を検討することが大切です。
長期運用を前提としている
変額保険は、長期的な運用を前提とした保険商品です。
保険料の一部を投資信託などで運用するため、短期間では運用成果が安定しないことがあります。
しかし、長期間運用を続けることで市場の値動きによる影響を平準化しやすくなり、資産が成長する可能性も高まります。
そのため、老後資金や教育資金など、将来に向けた資金準備を目的として活用されることが一般的です。
変額保険のメリットを活かすためには、長期的な視点で運用を続けることが重要です。
運用実績によって受取額が変動する
変額保険は、保険料の一部を投資信託などで運用する仕組みのため、運用実績によって将来受け取る解約返戻金や満期保険金が変動します。
運用が好調な場合は受取額が増える可能性がありますが、市場環境の悪化などにより運用成績が低迷すると、受取額が払込保険料を下回ることもあります。
そのため、定額保険のように将来受け取る金額が確定しているわけではありません。
変額保険を活用する際は、資産が増える可能性と元本割れのリスクの両方を理解したうえで、長期的な視点で運用することが重要です。
死亡保険金には最低保証がある商品が多い
変額保険は運用実績によって資産額が変動しますが、多くの商品では死亡保険金に最低保証が設けられています。
これは、運用成績が悪化して積立金が減少した場合でも、契約時に定められた最低限の死亡保険金を受け取れる仕組みです。
そのため、資産運用によるリターンを期待しながらも、万が一の際には一定の保障を確保できます。
ただし、最低保証の有無や保証内容は商品によって異なるため、加入前に契約内容をしっかり確認することが大切です。
なお、解約返戻金や満期保険金には最低保証がない場合もあるため注意しましょう。
変額保険のメリット

ここでは、変額保険に加入することで得られる主なメリットについて詳しく解説します。
死亡保障を確保できる
変額保険の大きなメリットの一つは、資産運用を行いながら死亡保障を確保できることです。
投資信託などで運用する金融商品とは異なり、契約期間中に被保険者が死亡した場合は、あらかじめ定められた死亡保険金が遺族に支払われます。
そのため、将来の資産形成を目指しながら、万が一の際の経済的な備えも準備できます。
特に、家族がいる方や子どもの教育費などに備えたい方にとっては、保障と運用を両立できる点が大きな魅力といえるでしょう。
生命保険料控除を利用できる
変額保険は生命保険の一種であるため、一定の条件を満たせば生命保険料控除の対象となります。
年間に支払った保険料に応じて所得税や住民税の負担を軽減できるため、節税効果が期待できる点はメリットの一つです。
投資信託などの金融商品にはこのような控除制度がないため、保障を確保しながら税負担の軽減も目指せます。
ただし、控除額には上限があり、適用条件も定められているため、詳しくは保険会社や税務署の案内を確認しましょう。
強制的に積立を続けやすい
変額保険は、毎月決まった保険料を支払う仕組みのため、資産形成を習慣化しやすい点がメリットです。
自分で投資を行う投資信託の場合は、相場の変動や家計の状況によって積立をやめてしまうことがありますが、変額保険では保険料の支払いが継続的に行われるため、長期的な資産形成につながりやすくなります。
また、変額保険は保障を確保しながら将来に向けた資金準備ができるため、「貯蓄が苦手」「計画的にお金を貯めたい」という方にも適した商品といえるでしょう。
デメリット

変額保険は、メリットだけでなくデメリットも十分に把握し、自分の目的やライフプランに合っているかを確認することが大切です。
ここからは、変額保険のデメリットを解説します。
途中解約で元本割れする可能性がある
変額保険は長期運用を前提とした商品であるため、契約から間もない時期に解約すると元本割れする可能性があります。
これは、変額保険の保険料の一部が保障費用や契約維持にかかる費用として差し引かれるためです。
また、運用成績が低迷しているタイミングで解約すると、解約返戻金が払込保険料の総額を下回ることもあります。
そのため、変額保険は短期間で解約することを前提に加入するのではなく、老後資金や教育資金など長期的な資金準備を目的として活用することが重要です。
手数料が高い
変額保険は、一般的な投資信託と比べて手数料が高くなる傾向があります。
変額保険の保険料の中には資産運用に充てられる部分だけでなく、死亡保障にかかる費用や契約の維持・管理に必要な費用なども含まれているためです。
また、変額保険の商品によっては運用管理費用や特別勘定の運営費用が発生する場合もあります。
長期運用が前提の保険商品
変額保険は、長期的な資産形成を目的とした保険商品です。
保険料の一部を投資信託などで運用するため、変額保険は短期間では十分な運用成果を得られない場合があります。
また、運用による市場環境の影響を受けるため、一時的に資産価値が下落することもありますが、長期間運用することで値動きの影響を平準化しやすくなります。
そのため、変額保険は老後資金や教育資金など、将来に向けた資金準備に活用されることが一般的です。
変額保険は、短期間で利益を求める方には向かず、長期的な視点で継続することが重要な保険商品といえるでしょう。
投資信託の特徴

投資信託は、運用成果によって資産価値が変動するため、リスクについても理解しておくことが大切です。
ここでは、投資信託の主な特徴について詳しく解説します。
少額から始められる
投資信託は、少額から始められることが大きな特徴です。
商品によっては100円や1,000円程度から購入できるため、まとまった資金がなくても資産運用を始められます。
株式投資のように高額な資金を準備する必要がなく、初心者でも気軽に投資に挑戦しやすい点が魅力です。
また、毎月一定額を積み立てる積立投資にも対応しているため、無理のない範囲で継続的に資産形成を進められます。
投資信託は、投資経験が少ない方や、まずは少額で運用を始めてみたい方に適した金融商品といえるでしょう。
商品数が豊富
投資信託は商品数が非常に豊富で、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて選べる点が特徴です。
国内株式や海外株式、債券、不動産(REIT)など、さまざまな資産に投資する商品が用意されています。
また、安定的な運用を目指す商品から、高いリターンを狙う商品まで幅広く存在するため、投資方針に応じた選択が可能です。
資産形成の目的や運用期間に合わせて商品を選べることから、多くの投資家に利用されている金融商品の一つとなっています。
NISAを活用できる
投資信託は、NISA(少額投資非課税制度)の対象商品として活用できる点が大きなメリットです。
通常、投資信託の運用で得た利益や分配金には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で購入した商品であれば一定の範囲内で非課税となります。
そのため、利益をそのまま資産形成に活用しやすく、効率的な運用が期待できます。
特につみたて投資枠の対象となる投資信託は長期・積立・分散投資に適した商品が中心であり、変額保険と同じく将来に向けた資産形成を目指す方にとって活用しやすい制度といえるでしょう。
投資信託のメリット

投資信託を活用することで税制上のメリットを受けられる場合もあります。
ここでは、投資信託の主なメリットについて詳しく解説します。
コストを抑えられる
投資信託は、比較的コストを抑えながら資産運用を行える点がメリットです。
特にインデックスファンドは運用管理費用(信託報酬)が低く設定されている商品が多く、長期的な資産形成に向いています。
また、株式投資のように複数の銘柄を個別に購入する必要がないため、少額の資金でも効率的に分散投資が可能です。
近年は購入時手数料が無料の「ノーロードファンド」も増えており、運用コストを抑えながら投資を続けやすい環境が整っています。
長期運用ではコストが運用成果に影響するため、費用を抑えやすい点は大きなメリットといえるでしょう。
運用の自由度が高い
投資信託は、運用の自由度が高い点がメリットです。
投資する地域や資産の種類、リスクの大きさなどに応じて、自分の目的に合った商品を選べます。
また、運用状況やライフプランの変化に合わせて商品を変更したり、積立額を増減したりすることも可能です。
変額保険のように保障機能が付いていないため、純粋に資産形成を目的とした柔軟な運用ができます。
投資方針を自分で決めたい方や、市場環境に応じて運用内容を見直したい方にとって、投資信託は活用しやすい金融商品といえるでしょう。
NISAによる非課税メリットがある
投資信託は、NISA(少額投資非課税制度)を活用することで、運用益や分配金にかかる税金が非課税になるメリットがあります。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で保有する投資信託であれば、その利益を効率よく資産形成に活用できます。
特に長期間にわたって積立投資を行う場合は、非課税の効果が大きくなりやすいのが特徴です。
デメリット

投資信託を始める際は、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、自分の目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。
保障がない
変額保険と異なり、投資信託には死亡保障や医療保障などの保険機能がありません。
投資信託はあくまで資産を増やすことを目的とした金融商品であり、万が一の際に保険金が支払われる仕組みはないためです。
そのため、家族の生活費や教育費などに備える保障が必要な場合は、別途生命保険への加入を検討する必要があります。
資産形成に特化している点は投資信託のメリットですが、保障と資産形成を同時に行いたい方にとってはデメリットと感じる場合もあるでしょう。
自己管理が必要
投資信託は運用自体を専門家に任せられますが、商品選びや資産配分の見直し、売却のタイミングなどは基本的に自分で判断する必要があります。
そのため、運用状況を定期的に確認し、自身の投資目的やライフプランに合っているかを管理しなければなりません。
また、市場が大きく変動した際には冷静な判断が求められるため、ある程度の投資知識も必要です。
変額保険のように保障を確保しながら自動的に積立を続ける仕組みと比べると、自己管理の負担が大きい点は投資信託のデメリットといえるでしょう。
相場変動の影響を受ける
投資信託は、変額保険と同じく株式や債券などの金融商品に投資して運用するため、市場の値動きによる影響を受けます。
景気の悪化や金利の変動、世界情勢の変化などによって基準価額が下落し、保有資産の価値が減少することもあります。
特に短期間では価格が大きく変動する場合があり、購入した時よりも評価額が下がる可能性もあるでしょう。
変額保険と違い、元本保証のない金融商品であるため、投資信託を利用する際は相場変動によるリスクを理解し、長期的な視点で運用することが大切です。
変額保険と投資信託はどちらがおすすめ?

変額保険と投資信託は、どちらも資産形成を目的として活用できる金融商品ですが、それぞれ特徴や向いている人が異なります。
変額保険が向いている人
以下のような人は変額保険と投資信託の比較において、変額保険が向いています。
死亡保障も確保したい
家族への備えを重視したい
強制的に積立したい
長期的に継続できる
投資信託が向いている人
以下に当てはまる人は変額保険よりも、投資信託が向いています。
資産形成を最優先したい
コストを抑えたい
NISAを活用したい
自由に売買したい
変額保険と投資信託を併用する方法もある

変額保険と投資信託はどちらか一方を選ばなければならないわけではありません。
例えば、最低限の保障は変額保険で確保し、資産形成の中心は投資信託やNISAで行う方法もあります。
保障と運用をバランスよく組み合わせることで、それぞれのメリットを活かせます。

まとめ

変額保険と投資信託はどちらも資産形成に活用できる商品ですが、目的や特徴は大きく異なります。
変額保険と投資信託を比較すると、変額保険は保障と資産形成を両立できる点が魅力です。
一方で、投資信託はコストが低く、NISAを活用しながら効率的に資産形成できるメリットがあります。
家族への備えを重視するなら変額保険、資産形成を最優先するなら投資信託が有力な選択肢となるでしょう。
資産形成をするなら、変額保険と投資信託のどちらがいいか、悩んでいる方はFP資格を持つ保険相談員に相談するのも一つの手です。
相談自体は無料で、保険のみならず資産形成のことや家計のことまで相談することができるので、ぜひ相談してみてください。

