地震保険とは?保険の必要性や適応範囲、条件をわかりやすく解説

住宅にかける保険の中でも、火災保険とあわせて利用されることが多い「地震保険」。
しかし、火災保険に加入する方の中には「わざわざ地震保険を付ける必要はない」と考える方もいるようです。

住居が地震の被害を受けた場合、火災保険だけでは損害をカバーしきれないこともあります。住居を自身の被害から守るためには、住宅に合った火災保険を選ぶことが重要です。

また、東日本大震災、熊本地震など大災害のたびに、被災地での盗難や空き巣のニュースが流れます。
こうした二次被害をどう防ぎ、どう対処すべきかについても対策を解説します。

日本の地震状況

世界的な基準で見ても、日本は地震の多い国として知られています。 地球の地盤は10個のプレートがつながってできていて、日本は「太平洋」「北米」「ユーラシア」「フィリピン海」の4つのプレートのつなぎ目にある国です。

地震はプレートがずれることによって発生するので、日本では規模の大きな地震が起こりやすいのです。1975年から2005年までに起こった震度6以上の地震は15以上にものぼります。

今の技術ではどの地点で地震が発生するのかを完璧に予測はできませんが、これらの地震は日本各地で発生していることから、日本のどこに住んでいるとしても地震保険をかけるなどして大地震の被害に備えることが重要です。

また、地震の際に注意しなくてはいけないのは、揺れによる建物・家財の倒壊だけではありません。地震が起こった際には、津波や火災などの2次被害も予測されます。住宅に火災保険をかけているだけでは、これらの被害に対して補償が得られない場合があるのです。

火災保険じゃカバーできない!地震保険の入り方

火災保険は、火災だけではなく様々な災害から住宅を守る保険です。

一方で地震については、火災保険だけでは地震を直接原因とする火災や損害が補償されないなどカバーしきれない部分があるため注意が必要です。

地震保険は、居住している建物と家財が補償対象になる保険で、法律に基づき政府と民間の損害保険会社が運営しているものになります。

地震保険に加入するためには条件があります。それは「火災保険に加入すること」です。

つまり、地震保険は火災保険とセットでプランを考える必要があり、一般的に火災保険を扱っている保険会社であれば、地震保険を取り扱っている場合が多いため、まとめて加入することができます。

火災保険と地震保険がセットになっているオールパッケージ型の場合、地震補償はどこまで適用されるのかを把握するのも忘れないようにしましょう。

地震保険でカバーできる被害とは?

地震は2次被害が発生しやすい災害として知られています。日本で発生する地震の被害をさらに大きくしているのは、「火災」や「津波」などです。

よって地震保険でカバーできる被害には「地震の揺れ」に対するものだけではなく、「津波」や「噴火」なども含まれます。

例えば、火山の噴火の影響で住居が火事になってしまった場合は、地震保険が適用されます。地震が起こったことによって津波が発生し、建物が倒壊してしまった場合も同様です。

津波の被害は一見すると「水災」による被害にもとらえられますが、地震によって発生した災害であるために地震保険の対象として組み込まれています。

また、地震によって建物が倒壊し室内の家財が破損してしまった場合なども地震保険の対象になります。

しかし、ここで注意しておきたいのが「地震保険はあくまで損害を補てんするためのもの」であるという点です。

地震保険が適用された場合でも、建物や家財を修復するために必要な費用が100%補償されるわけではありません

補償の金額は、加入している保険会社や契約プランにもよりますが、建物・家財に設定した金額の30%~50%の範囲で限度額を設定します。

地震保険の補償額はどのように決まるか

では、地震保険で補償される金額の設定を見てみましょう。

地震保険では保険対象の建物・家財に対し、火災保険の補償額の30%~50%の範囲で限度額を設定します。
建物と家財はそれぞれ別に評価を行い、全損=100%・大半損=60%・小半損=30%・一部損=5%といった被害認定レベルに応じて地震保険金が給付されます。

例えば、建物3000万円、家財1000万円の契約で、地震保険で補償されるのは最高で建物1500万円、家財500万円。
被害が建物・家財ともに大半損と認定されたとすると、さらにその60%なので建物900万円、家財300万円が保険金となります。

さまざまな被害への損失補てんを充実させたいという考えでしたら、「複数社の火災保険+地震保険に入る」、あるいは「補償額を高く設定して加入する」という方法もあります。

しかし地震保険の保険金総額は建物5000万円・家財1000万円までという上限があり、これ以上は支払われません。また、保険料が相当な高額になることは否めません。

地震保険は「盗難」や「空き巣」被害は対象外

地震の二次被害として大きいのは「盗難」です。地震が原因なのだから「地震保険」で補償されるのでは?と考える方が多いと思います。
しかし残念ながら、地震保険は、災害時の盗難被害が支払い対象外となっています。

地震保険は、地震や噴火などの自然災害による損害を補償する保険で、火災保険とともに加入する形がほとんどです。「地震で家が倒壊した」「テレビが落ちて壊れた」などの居住建物や生活家財は補償されますが、盗難には適用されません

自然災害が起こり、混乱した状況での盗難被害は、事実関係を立証するのが難しいというのが、ひとつの理由です。

そして地震保険自体が、「生きるための保険」であるということも理由です。
大規模な地震が起こると、家や家財が壊れるだけでなく、さまざまなリスクに見舞われます。

盗難は決して許せませんが、過酷な状況のなかで「生活を立て直すために必要な一時金を給付する」=それが地震保険の基本スタンスなのです。

盗難被害に未然に防ぐための自己防衛策

大災害の後には、倒壊した家屋や、避難して不在の家を狙った盗難が多発しているのが現状です。
盗難の被害を防ぐための対策をしておきましょう。

避難するときは、ドアや窓の戸締りをしっかりと

平常時の盗難の原因で最も多いのが、鍵のかけ忘れ。それは災害時も同じで、盗難対策は戸締りが基本です。
平常から鍵を二重ロックにしておくなど防犯対策を心がけることも大事です。

ただ、緊急時は身の安全が最優先。
戸締りが気になって、避難途中に家に引き返すようなことは、決してしないでください。

貴重品はできるだけ持って避難する

時間に猶予がないことが予想されるので、貴重品(現金、通帳と印鑑、免許証や保険証、パスポート、貴金属など)は非常持ち出し袋にすぐ入れられるよう、ポーチなどにまとめ、出しやすい場所に保管しておきましょう。

避難所では貴重品を人目につくところに置かない

避難所での盗難も頻発するので、できればウエストポーチなどに入れて身につけておくと安全です。

個人情報はデジタル化しておく

大切なのは貴重品だけではなく個人情報も同様です。
個人情報はデジタル化しておくことで、日常的な携帯が可能になります。

例えば、キャッシュカードやクレジットカードが盗難に遭ったとしても、素早く対応できますし、何も持ち出せないまま避難して帰宅不能という場合でも、情報のデジタル化は有効なリスク回避になります。

通帳口座番号、クレジットカード番号、基礎年金番号、マイナンバー個人番号、免許証、保険証、パスポート、権利書、契約書などはスキャンし、データはSDカードやUSBメモリに保存しましょう。

補償範囲や補償額を広げたいなら「地震補償保険」

地震保険は建物や家財を補償する保険ですから、盗難に遭ってしまった場合や当座の生活再建費用まではまかなうことができません。

そういった費用を何とか補いたいという消費者の要望に応えて、最近登場したのが「地震補償保険」です。地震・噴火を原因としての被害を補償する保険です。

地震保険は火災保険とのセット加入が義務付けられていますが、「地震補償保険」は地震保険との併用だけでなく、単独で加入できるのが特徴。保険料も安く設定されています。

ただし半壊以上の被害でなければ補償されないなど独自の規定があります。加入の際には、支払い条件をよく読んで検討してださい。

地震保険は税控除対象

もともと高いと言われる地震保険料ですが、2017年の改定で値上げされました。
盗難は対象外、しかも保険料は高いとなると、地震保険への加入自体を躊躇してしまう方もいるかもしれません。

ただ、地震保険は火災保険と違って「年末調整での控除対象」に含まれます。

平成18年度の税制改定により、年末調整の控除に火災保険料は含まれなくなりました。代わりに控除の対象になった地震保険料は、年末調整の際に申告すれば控除されます。

火災保険と地震保険はセットで加入する方が多いため、保険会社に問い合わせるか、地震保険料は保険会社から送付される「控除証明書」でも確認することができます。

まとめ

地震が多い日本に住んでいるからこそ、地震保険について慎重に考えることは重要です。
火災保険だけでは地震が原因で引き起こされた被害の多くがカバーされないことは重要なポイントです。

地震保険は単体で加入できる保険ではないため、火災保険とセットで加入する必要がありますが、地震保険に加入することで、地震の揺れによる建物の倒壊のみならず火災や津波の被害も補償の対象になります。

・当サイトは、各保険の概要についてご紹介したものです。取扱商品、各保険の名称や補償(保障)内容等は引受保険会社によって異なりますので、ご契約にあたっては、必ず各引受保険会社の「重要事項説明書」をよくご確認ください。ご不明な点等がある場合には、代理店までお問い合わせください。

・このご案内には保険商品内容のすべてが記載されているわけではありませんので、あくまで参考情報としてご利用ください。また、必ず各引受保険会社の「契約概要」やパンフレット等で保険商品全般についてご確認ください。

・お引受内容により保険料が異なる場合がありますので、実際に適用される保険料については代理店または引受保険会社にお問い合わせください。

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