生命保険
生命保険と医療保険の違いは?保障内容や種類、加入すべき人を比較
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生命保険と医療保険の違いをプロが解説!【適切な保険選び方】

「そろそろ自分や家族の保険について考えてみようかな」と思っても、何から見ていけばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

万が一の時に備える保障といっても「生命保険」と「医療保険」があり、加入する目的や保障内容は大きく異なります。

今回、保険についての無料相談を行なっているR&Cが、生命保険と医療保険のそれぞれの種類や特徴について詳しく解説します。

自分の家族環境や経済環境にピッタリ合った保障が受けられるように、それぞれの保険の違いを知っておきましょう。

生命保険と医療保険の違い

生命保険と医療保険の違い

生命保険と医療保険は、それぞれ異なるリスクに対応しており、保障内容や利用方法、種類も違います。

自分や家族のニーズに応じて、適切な保険を選ぶことが重要です。以下の表に生命保険と医療保険の特徴の違いをまとめました。

生命保険(死亡保障) 医療保険
保障内容 死亡または高度障害状態になった場合 病気や怪我をした場合
目的 被保険者の家族の生活を守る 治療にかかる経済的負担を和らげる
保険の種類 ・定期保険・終身保険・収入保障保険・養老保険 ・公的医療保険制度・医療保険
保険金の支払われ方 基本的に一括で支払われる(給料のように毎月支払いのタイプもある)) 日数や回数に応じて給付金が支払われる(商品によって異なる)
保険金受取人 指定された保険金受取人(被保険者の家族等) 被保険者であることがほとんど

ここから生命保険と医療保険の大きな違いについて解説します。

生命保険と医療保険の違い①対象となるリスク

生命保険と医療保険の大きな違いは、対象となるリスク(保障内容)です。

生命保険は被保険者が死亡したときに受取人に対して保険金が支払われる仕組みです。(死亡保障)

万が一、世帯の主収入を支えている人が死亡してしまっても、残された家族が生活に困らないように備えておきたいのが生命保険です。

医療保険は、生命保険の死亡リスクに対する保険とは違い、病気やケガにより、入院や手術等が必要になった際に医療費を補償する保険です。特定の病気や通院に対する特約を付けることも可能なので、自分に必要な保障内容を組み合わせることができます。

生命保険と医療保険それぞれの対象リスク(保障内容)の違いを理解していないと、万が一の時に保障されないということとなってしまいます。

生命保険と医療保険の違い②保険料・保険金について

生命保険と医療保険の違いの2つ目は、保障にかかる保険料や保障額、保険金受取人に違いがあります。

生命保険は、一般的に死亡保障額や保障期間、年齢によって保険料が設定されます。

保険金に関しては、被保険者が死亡または高度障害状態になってしまった場合に、一括で支払われます。保険会社によっては、毎月のお給料のように月額支払いで受け取れるタイプもあります。

医療保険は、主に被保険者の健康状態や年齢、保障期間によって保険料が設定されます。

病気やケガで入院や所定の手術等が必要になった際、給付金として保険金が支払われます。まとまって保険金が支払われる生命保険とは違い、医療保険は、商品によって異なりますが、日数や回数に応じて給付金が支払われます。

また、保険金受取に関して、生命保険は被保険者以外の指定した者であるのに対して、医療保険は基本的に被保険者が受け取るという違いもあります。

生命保険の種類と特徴

生命保険の種類と特徴
では、生命保険にはどのような種類があるのでしょうか。代表的な3つの種類の違いについて解説します。

  • 定期保険
  • 終身保険
  • 養老保険

定期保険

定期保険とは、保険契約が満了しても、満期保険金を受け取ることができないことから「掛け捨ての生命保険」とも呼ばれています。

保険期間があらかじめ定められており、その期間中に被保険者が死亡すると保険金が支払われるというのが、定期保険の仕組みです。

定期保険は、手頃な保険料で死亡保障に備えられる一方で、一定の期間しか死亡保障を確保できないので、加入時期や期間を考慮する必要があります。

終身保険

終身保険とは、生命保険のうち一生涯の保障がある保険で、亡くなった時に保険金が支払われる仕組みです。

つまり定期保険とは違い、満期がなく、満期保険金がないことが終身保険の特徴です。

また、払込期間中に解約することも可能ですが、タイミングによっては解約返戻金が元本割れする場合があります。一方で、契約から一定期間を過ぎると解約返戻金の額が払込保険金の総額より多くなることもあります。

終身保険は貯蓄性のある保険のため、定期保険よりも保険料が割高なのも一つの特徴です。

養老保険

養老保険とは、死亡保険と生存保険が組み合わさった保険のことであり、保険期間中に被保険者が死亡した場合は死亡保険金、保険期間満了時に生存していた場合には死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。

生死に関わらず保険金が支払われるため、保険料は定期保険よりも割高という特徴もあります。

また、満期保険金や解約返戻金も比較的高いことから、終身保険と同様に貯蓄性のある保険と言えるでしょう。

医療保険の種類と特徴

医療保険の種類と特徴

医療保険は、民間の保険会社が様々な保険商品を展開し、個人が任意で加入する保険です。公的医療保険制度とは異なるので注意しましょう。

以下では、医療保険の保障内容別にその特徴の違いを解説します。

一般的な医療保険

一般的な医療保険は、病気やケガで治療が必要になった時のための保険です。

入院が必要になったり、所定の手術を行うことになったりした場合に、1日あたり数千円〜数万円程度の金額が給付されます。

給付金が支払われる日数は保険商品ごとに限度があり、保障対象となる手術も保険商品によって異なります。

似たような保険として傷害保険が挙げられますが、傷害保険は事故によるケガのみの補償ですので覚えておくと良いでしょう。

がん・三大疾病に対する保障

一般の医療保険ではカバーできない、がんや三大疾病などの特定の病気に対して手厚い保障を受けることもできます。

がん保険は、その名の通りがんに特化した保障であり、がん治療のための入院や手術、通院治療を受けた時に給付金が支払われます。

三大疾病保険(特定疾病保険)については、三大疾病である「がん」「心疾患」「脳梗塞などの脳血管疾患」などの発症リスクに備える保険です。

三大疾病にかかり、被保険者が死亡または高度障害状態になった時に、一時金として特定疾病保険金を受け取ることができます。

女性特有の疾病を保障する保険もある

女性特有の病気である、乳がんや子宮筋腫などの特定の病気にかかってしまった場合に手厚い保障を受けることのできる保険もあります。

例えば、女性特有の病気で入院した場合、通常の医療保険の入院給付金に加えて、女性入院給付金が上乗せされるため、経済的負担が少なく済みます。

もちろん、保障が手厚い分保険料は割高ですが、病気のリスクが高まる前に加入の検討をすると良いでしょう。

【どっちを選べばいい?】おすすめする人の違い

【どっちを選べばいい?】おすすめする人の違い
生命保険と医療保険は、どちらか一方を選択しなければならないということはなく、両方に加入しても問題ありません。ただ、保険料などを考慮すると、どちらかに絞りたいという方もいるでしょう。

以下では、生命保険と医療保険をおすすめする人の違い、選び方のポイントについて解説しています。

生命保険の加入をおすすめする人

生命保険への加入をおすすめする人は、一家の大黒柱となり、家計の主な収入源となっている人や養う家族がいる人です。

もし自分に万が一のことがあると、残された家族は経済的に生活が困難になってしまいます。

生命保険に加入しておけば、家族の生活費や子供の教育費を残すことができるので、結婚や出産などのライフステージが変わるタイミングで加入を検討すると良いでしょう。

また、保障と貯蓄を両立させたい場合には、終身保険等の貯蓄性のあるタイプの生命保険がおすすめです。

終身保険は解約返戻金や満期保険金があるため、死亡の際の保障に加え、将来に向けた貯蓄もできるようになっています。

そのほか、病気やケガの治療費を賄う貯蓄がある人も、医療保険より生命保険に加入することをおすすめします。

入院や手術の費用等を賄えるようであれば、より大きな保障をするために生命保険への加入を検討すると良いでしょう。

医療保険の加入をおすすめする人

医療保険への加入をおすすめする人は、自分が病気やケガをした際の治療費の支払いに不安がある人です。

貯蓄が少ない場合や病気・ケガで一定期間働くことができなくなった際に収入が減少し、治療費が支払えないという心配がある人は医療保険に加入しておくと良いでしょう。

また、年齢が若いうちに加入した方が保険料を安くすることができます。

年金だけではカバーできない可能性もあるので、老後の病気やケガのリスクに備えて、医療保険への加入を検討するのもおすすめです。

【要チェック】保険金を受け取れないケースがある

【要チェック】保険金を受け取れないケースがある
生命保険と医療保険ともに、保険金を受け取れないケースがあります。故意でなくとも支払われないケースもあるので、要注意です。

免責事由にあてあはまる

生命保険は、被保険者の死亡に際して保険金が支払われますが、死亡理由が「免責事由」に当てはまる場合には保険金が支払われないことがあります。

免責事由の例
  • 契約日から一定の期間内に自殺
  • 保険金受け取りを目的に、保険金受取人が被保険者を殺害
  • 酒気帯び運転中の事故による死亡 など

被保険者の死亡要因については生命保険会社によってきちんと調査されますが、少なくとも「保険金目当て」の死亡には保険金は下りません。

告知義務違反

生命保険や医療保険に関して、持病がある場合はそもそも加入できないことがあります。また、加入条件として、完治から一定期間の経過が必要であったり、保険料が割高になったりする場合があります。

また、被保険者となる人には、保険加入時に自分の健康状態や過去の病歴を、嘘・偽りなく生命保険会社に伝える「告知義務」があります。

もし持病があることを隠していたり、病歴を偽っていたりすると「告知義務違反」となり、保険金は支払われません。

まとめ

まとめ
今回は、生命保険と医療保険の違いについて解説しました。

この二つの保険は、加入の目的や保障内容に違いがあり、最も大きな違いは、保障を受けられる対象が、死亡なのか病気やケガなのかという点です。

この記事を参考に各保険の違いを理解した上で、生きている間に潜む様々なリスクに備えて、自分や家族にあう保険を選びましょう。

この記事を提供しているR&Cでは、保険の見直しや新規加入について無料相談を承っております。

お金や保険のプロであるFP(フィナンシャルプランナー)がお客様のお悩みに合わせて最適なご提案をさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。
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