医療保険の見直しで損をしないためのベストタイミングと重要ポイント

医療保険は一度加入するとそのままにしてしまう人も多いですが、ライフスタイルや年齢の変化に応じて定期的に見直しをすることが大切です。

結婚や出産、住宅購入、定年退職といった人生の節目では、必要な保障や保険料の負担が変わるため、タイミングを逃さず見直しをすることで将来の不安を減らせます。

ただし、見直し方を誤ると保障が不足したり、保険料がかえって高くなってしまうこともあります。

そこで本記事では、医療保険の見直しで損をしないためのベストなタイミングと、見直しを行う際のチェックポイントを分かりやすく解説します。

今の保険が自分に本当に合っているか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

医療保険の見直しで損をしないタイミングとは

医療保険は一度加入すると長期間そのままにしてしまいがちですが、ライフステージや健康状態の変化に応じて見直しを行うようにしましょう。

結婚や出産、子どもの独立、住宅購入、定年退職など、人生の節目では必要な保障内容や保険料の負担が大きく変わることがあります。

こうしたタイミングで適切に医療保険の見直しを行えば、無駄な出費を減らしつつ将来に備えることができますが、見直しをする時期を誤ると保障が不足したり、保険料が高くなってしまうリスクもあります。

ここからは、医療保険の見直しで損をしないタイミングを紹介します。

新しい保険商品が出たことを知ったとき

医療保険は時代に合わせて新しい商品が次々と登場しています。

そのため、新しい保険商品が発売されたことを知ったときは、医療保険の見直しを検討する絶好のタイミングです。

特に10年以上前に加入した医療保険などは、現在はもっと良い商品が出ている可能性が高いです。

最新の商品に切り替えることで、より実態に合った保障を得られるだけでなく、同じ保障でも保険料が割安になる場合もあります。

保険料が高く負担を感じ始めた

加入している医療保険の保険料が高く、家計の負担を感じ始めたときには医療保険の見直しを検討すべきタイミングです。

不要な特約が付いていないか、同じ保障内容でより安い商品がないかを保険相談などを利用して確認することで、月々の支出を抑えながら必要な備えをすることができます。

また、定期型から終身型への切り替えや、掛け捨て型から貯蓄性のあるタイプへの変更なども選択肢のひとつです。

家計に負担を感じたら、保険相談を通してプロに相談して適切なプランへ調整することで、無理のない保険に見直しをすることができます。

結婚・出産などで家族構成が変わった

結婚や出産といったライフイベントで家族構成が変わったときは、医療保険の見直しを行いましょう。

独身時代には自分の医療費だけを考えていればよかったものの、結婚後はパートナーや子どもの生活を守る責任が加わります。

• 加入中の保険の保障を充実させる
• 夫婦それぞれの保険を見直す
• 子どもの将来に備えた保険

ライフスタイルの変化に応じて保険を見直しをすることで、無駄な出費を抑えつつ、家族全員が安心できる保障を整えることができます。

子どもの独立や教育費負担がなくなった

子どもが独立し、教育費の負担がなくなったときも、医療保険の見直しを検討する良いタイミングです。

これまで教育資金を優先していた家庭では、出費が落ち着いた分老後の医療費や介護への備えにシフトすることが可能になります。

不要になった特約を外したり、保障内容をシンプルにしたりすることで、無理なく続けられる保険に切り替えられます。

退職・定年で収入が減少した

退職や定年を迎えて収入が減少したときも、医療保険の見直しを行うタイミングです。

現役時代と比べて収入が年金中心になると、毎月の保険料負担が重く感じやすくなるため高額な保障を維持し続けるのではなく、必要な部分を残しつつシンプルな保障内容に切り替えることで家計に無理のない形で継続できます。

医療保険の見直しはなぜ必要？メリットは？

医療保険は一度加入するとそのままの状態の方が多いですが、ライフステージや医療制度の変化に合わせて定期的に見直しをすることが必要です。

ここからは、医療保険の見直しはなぜ必要なのか、メリットなども紹介します。

月々の保険料が抑えられる可能性がある

医療保険の見直しをする大きなメリットのひとつが、「月々の保険料を抑えられる可能性がある」という点です。

長年同じ契約を続けていると、不要な特約がついていたり、現在の生活に合わない保障内容になっていることがあります。

見直しを行うことで、必要のない部分を整理し、シンプルなプランに切り替えることで保険料の負担を軽減できるケースがあります。

また、医療保険は新しい商品が次々に登場しており、同じ保障内容でも最新のプランに変更することで割安になることもあるため、無理のない金額で保障を維持するためには、定期的に契約内容を確認して見直しを検討することが大切です。

家計の負担を抑えながら安心を確保できる点は、見直しの大きな魅力といえるでしょう。

最新の医療ニーズに合った保障が得られる

医療技術や治療方法は年々進歩しており、それに合わせて医療保険の商品内容も変化しています。

昔契約したままの医療保険では、入院日数が長いことを前提にした保障や、通院治療・先進医療に対応していないケースが多く、現在の医療に十分対応できないことがあります。

そこで医療保険の見直しを行えば、最新の治療方法に対応した特約や保障を取り入れることができます。

特にがん治療や高度医療の分野では自己負担が高額になるため、時代に合った保障内容に更新しておくことが安心につながります。

本当に必要かを改めて確認・不要な場合は解約もできる

医療保険の見直しを行うメリットとして、「本当に必要な保障かどうかを改めて確認できる」という点があります。

加入当時は必要だと思って契約した保険でも、ライフスタイルや家計の状況が変われば、不要になるケースも少なくありません。

例えば、公的医療保険や勤務先の福利厚生で十分にカバーできている場合には、民間の医療保険を最小限に抑えたり、思い切って解約する選択もあります。

逆に、将来的にリスクが高まると考えられる場合は、保障内容を強化する方向で調整することもできます。

つまり、「見直し」というのは新しい契約に乗り換えるだけでなく、必要性を再確認し、無駄を省く機会にもなるため積極的に行いましょう。

見直しをするときのチェックポイント

では、見直しをするときにはどんなポイントに気をつけなければならないのでしょうか。

ここからは、医療保険の見直しをする際に押さえておきたいチェックポイントを分かりやすく解説します。

入院給付金・通院保障・特約は十分か？

医療保険の見直しを行う際に気をつけたいのは、入院給付金や通院保障、そして特約の内容です。

医療技術の進歩によって入院期間は短縮され、通院での治療が主流になりつつあるため、入院日数に応じた給付金だけでなく、通院や日帰り手術に対応できる保障が整っているか確認することが大切です。

また、先進医療特約や女性疾病特約など、自分や家族のライフステージに必要な特約が付いているかも必ずチェックしましょう。

逆に不要な特約を外すことで、保険料の削減につながるケースもあります。

公的医療制度で足りない部分を補えているか

医療保険の見直しを行う際には、まず公的医療制度でどこまで保障されるかを理解し、その不足分を補えているかを確認しましょう。

日本には高額療養費制度があり、一定額を超える医療費は自己負担が軽減されます。

以下は、公的制度だけではまかなえない部分です。

• 差額ベッド代
• 先進医療の費用
• 治療費以外の食事代・日用品・雑費・交通費・宿泊費など
• 長期的な通院治療の自己負担

医療保険の見直しをする際には、こうした「公的制度で不足するリスク」に対応できる保障が備わっているかをチェックしましょう。

無駄な重複を避けつつ、必要な部分をしっかり補うことが効率的で安心な保険選びにつながります。

終身型か更新型かの確認

医療保険の見直しをする際には、契約している保険が「終身型」か「更新型」かを確認することが欠かせません。

• 終身型：一生涯にわたって保障が続き、保険料も原則一定であるため、長期的に安定した備えを求める人に向いている
• 更新型：一定期間ごとに契約を更新しながら保障を継続する仕組みで、加入当初は保険料が安いものの、更新のたびに年齢に応じて保険料が上がる点に注意

若いうちは割安に加入できますが、老後に負担が大きくなるケースもあります。

自分の契約がどちらのタイプかを理解したうえで、将来の家計やライフプランに無理がないかを確認することが、医療保険を賢く見直しをするポイントです。

医療保険を見直す際の注意点

医療保険 見直しをする際には注意すべき点もあります。

無計画に解約してしまうと、新しい契約で保険料が高くなったり、健康状態によっては再加入が難しくなるケースもあるため慎重な判断が必要です。

ここからは、医療保険の見直しをする際に知っておきたい注意点を分かりやすく解説します。

解約するときに「解約返戻金」があるか確認

医療保険の見直しで解約を検討する際には、必ず「解約返戻金」があるかどうかを確認しましょう。

解約返戻金とは、契約を途中でやめたときに払い戻されるお金のことです。

掛け捨て型の医療保険には基本的に返戻金はありませんが、貯蓄性のあるタイプや終身型の一部商品では、解約時に返戻金を受け取れる場合があります。

返戻金の有無や金額は契約内容によって大きく異なるため、解約前にしっかり確認することが大切です。

返戻金を受け取れるのに知らずに解約してしまうと、大きな損失につながる恐れがあります。

医療保険の見直しでは、新しい契約に切り替えるだけでなく、現在の契約を解約する際の条件を把握しておきましょう。

年齢や持病により新しい保険に入れない可能性がある

医療保険の見直しを検討する際に注意したいのが、年齢や持病によって新しい保険に加入できない可能性があることです。

医療保険には、加入時に健康状態の告知や審査があり、持病がある場合や高齢になってからの加入は制限されるケースが少なくありません。

また、加入できたとしても保険料が大幅に高くなったり、特定の疾病に関する保障が対象外になる場合もあります。

そのため、現在の保険を解約してから新しい保険に申し込むのはリスクが高く、まずは新しい契約の可否を確認してから判断しましょう。

医療保険の見直しでは、将来の健康リスクを考慮しながら、無理なく継続できる保障を選ぶことが、損をしないための大切なポイントです。

乗り換え時に保障の空白期間を作らないようにする

医療保険の見直しで他社の保険に乗り換える際には、保障が切れる空白期間を作らないようにしましょう。

現在の契約を解約してから新しい保険に申し込むと、加入審査に通らなかった場合や契約が成立するまでに時間がかかった場合、その間は保障が一切ない状態になってしまいます。

安心して見直しを行うためには、新しい保険の契約が成立してから既存の保険を解約する「切り替えの順番」を意識することで、より自分に合った内容の医療保険へ見直しをすることができます。

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菱村真比古

ファイナンシャルプランナー

10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士