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生命保険を親が払ってる場合の注意点とは?控除・解約・見直し時期を解説
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生命保険を親が払ってる場合のデメリットは?契約の見直しや控除などの疑問にお答え

相談者
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「社会人になったのに、まだ親が生命保険を払ってるけど大丈夫?」

実は、多くの方が「親が払ってくれている生命保険」を持ちながらも、その内容や将来的な問題点について十分に理解していないケースが少なくありません。

生命保険は契約者・被保険者・受取人の組み合わせや、名義の違いによって、税制や相続の扱いが大きく変わる商品です。
特に、親が契約・支払いを続けている場合、控除が受けられない、結婚後の保険設計にズレが生じるなどのデメリットが発生する可能性も。

そこで本記事では、生命保険の保険料を親が払ってる方に向けて、今後の見直しポイントや対処法をわかりやすく解説していきます。

親が子供のために保険に加入する主な理由

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親が子供のために生命保険に加入するケースは珍しいことではないでしょう。その主な理由としては以下のようなものが挙げられます。

  • 子供の将来に対する資金準備
  • 若いうちから保険に加入させ、低い保険料で保障を確保する
  • 教育資金や結婚資金の準備
  • 相続対策の一環として

親の愛情から加入を検討することが多いこの行為ですが、生命保険を親が払ってることには実は様々な問題点やリスクが潜んでいます。

生命保険の保険料を親が払ってる場合の注意点とは?

結婚したり、社会人になった後でも生命保険を親が払ってる場合、思わぬところにデメリットが発生しているケースがあります。

ここでは生命保険の保険料を親が払ってる場合の注意点について解説していきます。

親が払ってる生命保険の税金問題:控除が使えない

生命保険料控除は実際に保険料を負担している人が対象で受けることができる税制優遇措置です。しかし親が保険料を支払っている場合、親が生命保険料控除の対象となり、子供は控除を受けることができません。

社会人になれば、自分で生命保険料控除を活用して所得税や住民税を節税できますが、契約者が親のままではこれが使えないというわけです。

親の支払いが止まるリスク:保険失効

  • 親が高齢で支払い能力が落ちる
  • 認知症などにより契約管理ができなくなる
  • 経済的な事情で支払いをやめる

このような状況になると、保険料未納で失効し、保障がゼロになることも。

結婚・出産後に必要な保障とズレが生じる

親が若い頃に設計した保障内容は、現在のあなたのライフスタイルと合っていない可能性があります。

  • 医療保障が手薄
  • 死亡保障の受取人が親のまま
  • 結婚後の配偶者や子の保障に対応していない

このように、見直さずに続けていると、いざというときに使えない保険になってしまいます。

契約を見直すタイミングとは?

契約の見直しや名義変更を検討すべき適切なタイミングとしては、以下のようなライフステージの節目が考えられます。

タイミング①社会人になったとき

自分で収入を得られるようになったら、まずは保険契約の見直しを考えましょう。
以下のようなメリットがあります。

メリット

  • 保険料控除を活用できる
  • 自分で保険管理ができるようになる
  • 将来設計に合った保障に変更しやすい

タイミング②結婚・出産

結婚・出産は、保険の見直しタイミングとして最適です。

  • 保障内容の見直し
  • 受取人を配偶者へ変更
  • 名義変更 or 新規加入を検討

保険をライフイベントに合わせてアップデートする意識が大切です。

生命保険の保険料を親が払ってる時の対策

では、具体的に親が払ってる生命保険に対してどのような対策を取れば良いのでしょうか?

親が払ってる生命保険の確認ポイント

親が払ってる生命保険について、以下のポイントを確認することが重要です。

  • 契約者は誰か
  • 被保険者は誰か
  • 受取人は誰か
  • 保険料の支払者は実質的に誰か
  • 保険の種類(終身保険、定期保険、医療保険など)
  • 保障内容と保障額
  • 保険期間(終身か有期か)
  • 解約返戻金の有無と金額

これらの情報を整理し、現在の状況に合っているかを検討することが大切です。

名義変更で契約を自分に引き継ぐ

保険会社に手続きを申し出ることで、契約者や支払い者を自分に変更することが可能です(商品や契約内容により不可な場合もあり)。

特に以下のようなケースでは検討する価値があります。

  • 自立して経済的に安定している
  • 親の経済的負担を軽減したい
  • 保険の内容が自分のライフプランに合っている
  • 税金面でのリスクを回避したい

名義変更の手続き方法

名義変更の手続きは以下の流れで行います。

  1. 生命保険会社のコールセンターや担当者に連絡
  2. 必要書類を取り寄せる
  3. 契約者(親)と新契約者(子)の署名・捺印
  4. 被保険者の同意書(被保険者が変わらない場合も必要な場合あり)
  5. 本人確認書類の提出
  6. 生命保険会社による手続き完了

不要な保険は解約または保険内容の見直し

内容を確認したうえで、以下のような保険は解約することも一つの選択肢です。

  • 保障内容が古く、現在のニーズに合わない
  • 不要な保障の解約をしている
  • 別の保険に入り直したほうがコスパが良い
  • 貯蓄性の高い保険で運用効率が悪い場合

ただし、「終身保険」や「満期保険金」があるタイプは、解約のタイミングによって損をする可能性もあるため注意が必要です。

親が払ってる生命保険が満期に近づいている場合

もし親が払ってる生命保険が満期に近づいている場合、以下をチェックしましょう。

確認項目内容
満期日満期はいつ?
満期保険金の受取人誰が受け取る契約になっている?
満期後の扱い自動延長or終了?
解約返戻金の金額現在いくら戻る?

親名義で満期を迎える場合、満期金は親の所得扱いとなるため、税金が発生することも。
早めに「誰が受け取るのか」「名義をどうするか」話し合っておくと安心です。

まとめ:親が払ってる生命保険は早めの見直しがおすすめ

「親が払ってる生命保険」は、ありがたいサポートである一方で、社会人としては税制・保障・相続の面でデメリットが多い状態とも言えます。

生命保険は、「なんとなく親に任せっぱなし」でいると本当に必要なときに使えない可能性があります。
早めの見直しと名義変更で、自分と家族をしっかり守りましょう。

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監修者プロフィール
菱村真比古
菱村真比古
ファイナンシャルプランナー
10種の金融資格と中高の教員免許を持つ異色のファイナンシャルプランナー。NISA、住宅ローン、社会保障制度などが複雑に絡み合うライフプランを明快シンプルに紐解きます。中でも《菱村式老後資金計算法》は将来に不安を抱える子育て世代に好評。生命保険と金融サービス業界の最高水準として世界中で認知されている独立組織MDRTの正会員。『お金のエキスパート』として講演や営業マンの育成など幅広い領域で活動している。

【資格情報】
・住宅金融普及協会 住宅ローンアドバイザー
・日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー
・生命保険協会認定トータルライフコンサルタント
・CCAA クレジットカードアドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士 
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