
近年は、健康状態に不安がある方でも加入できる商品が増えており、加入を諦めていた方でも、入れる保険の選択肢が広がっています。
ただし、持病があっても入れるがん保険には、標準的ながん保険と比べて、様々な注意点も存在します。
本記事では、保険のプロが数ある商品の中から、持病があっても入れるがん保険を、どのような基準で選ぶと良いのかを丁寧に解説していきます。
持病があっても入れるがん保険はあるのか
一般的ながん保険では、加入時に健康状態や過去の治療歴を告知する必要があり、そこで「持病あり」と判断されると、加入を断られるケースも少なくありません。
そのため、糖尿病・高血圧・心疾患などを抱えている方は、新たにがん保険を検討する際、加入に対して不安を感じやすいです。
しかし、近年は、保険会社が多様なニーズに応える形で、引受基準を緩和した「引受基準緩和型保険」や、健康状態に関係なく加入できる「無選択型保険」を提供しています。
持病があっても入れるがん保険の特徴は、通常のがん保険で行う健康状態に関する質問(複数あり)よりも、告知のハードルが低い点です。
一方で、持病があっても入れるがん保険は、一般的ながん保険と比べて、保険料が割高に設定されていることや、契約から一定期間は保障が制限される「待ち期間」が設けられるなど、いくつかの注意点もあります。
持病があっても入れるがん保険を検討する際は、自分に必要な保障内容を明確にして、複数の保険会社で商品を比較し、保障内容と保険料のバランスを見極めることが重要です。
告知義務違反とは
告知義務違反とは、保険加入時に求められる「健康状態」や「病歴」などの告知内容を、事実と異なる形で申告する行為です。
がん保険を含む多くの保険商品では、加入者の健康状態を確認するため、契約前に告知書の提出(回答)を義務づけています。
これは、虚偽や不正確な申告を防ぎ、保険会社がリスクを正しく判断して、公平な保険制度を維持するためです。
そのため、告知義務違反と判断された場合は、契約そのものが無効とされるケースや、がんと診断されても、保険金が支払われないケースが生じます。
また、加入者は、告知義務違反が故意であったり、重大な過失であると、過去に支払われた保険金の返還を求められることもあるので、非常に大きなリスクとなります。
持病があっても入れるがん保険を検討する際は、健康状態や病歴などを、正確に申告することが最も重要です。
特に、引受基準緩和型や無選択型といった保険商品では、通常のがん保険よりも告知項目が限定されており、加入のハードルが低く設定されているので、ありのままの健康状態でも加入できる可能性があります。
引受基準緩和型とは
引受基準緩和型とは、通常のがん保険よりも加入条件を緩やかに設定し、持病や既往症がある方でも加入しやすい保険商品です。
一般的ながん保険では、加入時に健康状態や過去の病歴を詳しく告知する必要があり、病気の治療歴があると、加入を断られるケースが多く見られます。
しかし、引受基準緩和型のがん保険は、持病がある方でも保障を受けられるように、間口を広げる商品です。
引受基準緩和型がん保険の特徴は、告知項目の少なさであり、複数の質問に答える必要がなく、数問程度の簡易的な告知(過去2年以内に入院や手術をしたか / 3ヶ月以内に医師から検査や入院を勧められていないかなど)のみで入れる場合があります。
そのため、引受基準緩和型のがん保険は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病を抱えている方や、治療を終えて経過観察中の方にも間口が広がるのです。
無選択型とは
無選択型とは、持病や既往症の有無に関係なく、健康状態の告知なしで入れるがん保険です。
無選択型のがん保険は、通常のがん保険で行われている過去の病歴や、現在の健康状態に関する告知を省略しており、持病がある方でも加入しやすくなっています。
特に、糖尿病・高血圧・過去にがんの治療歴がある方にとっては、重宝される保険商材です。
持病があっても入れるがん保険の注意点
近年、市場には、引受基準緩和型や無選択型といった保険商品が登場したため、がん保険への加入が難しかった方でも、加入しやすくなりました。
しかし、持病があっても入れる保険には、保険料・保障内容・制限事項など、注意しなければならない項目がいくつかあります。
ここでは、特に注目すべき注意点について、詳しく解説していきます。
保険料が割高に設定されている
持病や既往症があっても入れるがん保険は、通常のがん保険よりも、保険料が高く設定されています。
なぜなら、引受基準緩和型や無選択型といった保険は、健康状態に関係なく加入できるので、保険会社がリスクをカバーするために、保険料を高めに設定する必要があるからです。
保険料が高くなることは、長期的に支払う負担も増えるので、保障内容や給付金額と照らし合わせて、ライフプランに合わせた無理のない契約が大切です。
持病があっても入れるがん保険を比較する際は、保険料が高いことをデメリットとして捉えるだけでなく、加入のしやすさと保障のバランスを考慮することで、賢い選択に繋がります。
保障開始までに待ち期間が設定されている
持病があっても入れるがん保険は、加入のしやすさを優先する代わりに、リスク調整として、一定期間の「待ち期間」を設けていることが一般的です。
待ち期間は、保険会社や商品によっても異なりますが、6ヶ月から1年間程度が目安とされており、期間中に「がん」と診断されても、保険金が支払われなかったり、制限されることがあります。
そのため、すぐに保障を受けたい場合は、待ち期間の有無や、期間の長さを事前に確認することが大切です。
また、待ち期間は、保障の開始時期だけでなく、特定の治療や手術への給付にも影響するため、契約条件を細かく理解しておく必要があります。
加入時には、保険料の負担と待ち期間を比較し、自分のライフスタイルや健康状態に合った選択をすることが重要です。
保障範囲が限定的である
持病があっても入れるがん保険は、加入のしやすさを重視しいるため、通常のがん保険に比べて、保障の範囲や給付金額が簡略化されており、必要な治療や通院費を十分にカバーできない可能性があります。
具体例としては、入院や診断一時金が支払われたとしても、通院での治療・放射線治療・抗がん剤治療・入院治療費などが対象外であることです。
また、保険商品によっては、保障される期間や回数を制限している場合もあり、治療が長期化すると自己負担が増えるリスクも伴います。
そのため、持病がありながら保険を検討する際は、加入前に細かく保障内容を確認することが大切です。
持病のある人に向けたがん保険の選び方
持病があっても入れるがん保険は、加入のしやすさと引き換えに、保険料や保障内容に制約があるため、選び方に注意する必要があります。
持病のある人が「がん保険」を選ぶ際は、どの保障を優先すべきかを明確にして、最適な商品を比較していきます。
特に、持病のある人は、加入目的を明確にすることが重要で、重視する内容によって、必要な保障内容が異なります。
持病があっても入れるがん保険を選ぶ際は、複数社の見積もりを比較し、長期的な保険料の総額や、給付シミュレーションを確認したうえで判断すると安心です。
また、ライフステージや治療方針が変わった場合には、保険の専門家やファイナンシャルプランナーに相談して、持病にあった最適ながん保険への乗り換えをお勧めします。
持病があっても入れるがん保険をプロがご紹介
本記事では、持病があっても入れるがん保険の「注意点」や「選び方」について、保険のプロが解説してきました。
持病があっても入れるがん保険は存在しますが、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで、商品を比較・検討することが大切です。
持病があっても入れるがん保険をお探しの際は、35社以上の保険会社を取り扱っており、保険のプロフェッショナルが多数在籍している「保険のぷろ」までご相談ください。