投資信託
債券とは?投資信託と直接投資の違いやメリット・リスクもわかりやすく解説
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ファンドの種類や債券と株式の違い、債券のメリット・リスクについて解説

低価格で始められプロが運用してくれる投資信託は、老後資金などを増やすための投資手法として注目を集めています。

投資信託を選ぶ際に、株式や債券型、債券ファンドなどといった単語を目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。

しかし、何が違うのかやどんなメリット・デメリットがあるのかわからない人がほとんどです。

本記事ではこれから投資信託を始めようとしている方のため、ファンドの種類や債券と株式の違い、債券のメリット・リスクについて解説します。

債券型投資信託と直接投資の違いについても解説しているので、投資信託に関する情報をもっと学びたい方の参考になれれば幸いです。

ファンドの種類を紹介

ファンドの種類を紹介

投資信託の中には、投資エリアや方針、投資対象の資産などの違いによって、さまざまな種類に分けられます。

投資エリア

投資エリアはまず大きく分けると「国内」と「外国」の2つに分けられます。

その他にも、投資する地域(例:アジア、ヨーロッパ、欧米など)や国によっても更に細かく分類されます。

全世界を対象とするグローバルファンドも存在し、特定の地域経済の成長に投資したり、地域間の分散投資をすることができます。

投資方針「インデックス型」と「アクティブ型」の違い

運用方針によって種類分けする場合には「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類のファンドに区別できます。

インデックス型の投資信託は、特定の市場指数に連動するように運用されます。

指数の成分株をそのウェイトに応じて再現し、市場平均のリターンを目指すので手数料が比較的安く、低リスクなのが特徴です。

一方でアクティブ型投資信託は、運用管理者が市場を分析し市場平均を上回るリターンを目指して積極的に銘柄を選定します。

そのためアクティブ型の方が高い手数料がかかることが一般的ですが、市場平均を上回るパフォーマンスを期待できる可能性も上がります。

投資対象の資産による違い

投資エリアや方針の他にも、投資の対象になる資産の違いによっても種類分けができます。

株式に特化したファンド、債券が中心のファンド、不動産(REITs)に焦点を当てたファンド、またはこれらを組み合わせたバランス型ファンドなどがあります。

各ファンドは、投資対象資産のリスクとリターンの特性に応じて異なる投資体験を提供します。

投資信託の内容が詳しく解説された目論見書を見れば、国内や外国のどこの何に投資ができる投資信託なのか確認することができます。

これらの分類により、投資家は自身の投資目標やリスク許容度に合った投資信託を選ぶことができます。

投資信託の債券とは?株式との違い

投資信託の債券とは?株式との違い

投資信託の種類は様々ですが、その中でもよく目にする「債券」と「株式」の意味とその違いは何なのでしょうか。

債券は国や企業にお金を貸している(返済義務あり)

債券に投資する投資信託は、実質的に国や企業に資金を貸し出しているという事になります。

そもそも債券とは、発行者(国や企業)が一定の利息を付けて投資家に返済する義務を負う借金の証書です。

債券は定期的な利息収入(クーポン)を提供し、償還期日には元本の返済が約束されています。

このため、債券は比較的低リスクで安定した収入を期待できる投資とされていますが、利息率や発行者の信用力によってリスクレベルは異なります。

株式は株式会社の一部を所有(返済義務なし)

株式に投資する投資信託は、株式会社の一部を所有していることになります。

株式とは企業の所有権の証であり、株主は企業の利益に応じた配当や株価の上昇によるキャピタルゲインを得る権利を持つ仕組みになっています。

ただし、株式には企業が利益を出さない限り配当が得られないというリスクや、市場の変動による価格変動リスクがあります。

また、株式は企業の経営に関する投票権を提供することも特徴です。

債券型投資信託と直接投資の違い

債券型投資信託と直接投資の違い

債券と株式の違いを理解したところで、続いて債券の中でも債券に直接投資するのと債券型投資信託を購入するのでは何が違うのかについて解説します。

多様性とアクセス

債券型投資信託は、さまざまな種類や発行者の債券に分散投資することで多様性を提供します。

この分散により、個々の債券が抱える特定のリスクを抑えることができます。

また、投資信託を通じて、小額からでも国内外の多様な債券市場へのアクセスが可能になるため、個人投資家にとって利便性が高いといえます。

直接債券投資では、一般的に大きな資本が必要であり限られた債券への投資になりがちです。

専門的な運用管理

もうご存知だとは思いますが、投資信託は全てプロの運用管理者によって運用されます。

これにより、市場の深い分析や適切な債券の選定、投資戦略の調整が行われ、投資家は専門知識を持たなくても運用利益を目指すことができます。

一方、直接債券投資では投資家自身が市場分析を行い、個々の債券の選定や投資タイミングの決定を自ら行う必要があり、これには相応の知識と経験が要求される難しさがあります。

流動性と手数料

投資信託は通常、市場での売買が可能であり、投資家が資金を必要とする際に比較的容易に換金できます。

しかし、信託報酬として知られる運用管理費用が発生します。

直接債券投資の場合、市場の流動性や価格に依存するため、売却が困難になる場合があります。

また、投資信託は取引ごとに手数料がかかることが多く、これらのコストが投資リターンに影響を与える可能性があるでしょう。

メリットとリスクを理解してから種類を選ぼう

メリットとリスクを理解してから種類を選ぼう

投資信託の種類や債券の購入方法の違いを理解できたら、購入前に気になるのが債券のリスクではないでしょうか。

最後に債券のメリットとリスクについて以下に解説します。

メリット①安定した収入の確保

債券は定期的に利息を支払いますが、この利息は通常固定されており、投資期間中は一定の収入を提供してくれます。

これにより投資家は市場の変動に関わらず、安定したキャッシュフローを得ることができるため、退職後の収入源やインカムゲインを重視する投資戦略に適しています。

対照的に、株式の配当は会社の利益に依存するため、不安定なこともあります。

メリット②価格変動が小さく低リスク

債券は株式に比べて価格変動が一般的に小さいため、投資信託の中でもより低リスクで行える資産運用です。

特に政府債券はデフォルトのリスクが非常に低いと見なされます。

これは市場の不確実性が高い時に特に重要で、資産価値の大きな下落を避けることができます。

一方、株式は経済環境や企業業績の変動に敏感で、大きな価格変動を経験することがあります。

メリット③:優先的な債券

投資信託で買っていた企業が破産してしまった場合、債券者(債券保有者)は株主よりも先に企業の資産から償還を受ける権利を持ちます。

これは、債券が株式よりも高い債権順位を有しているためです。

そのため企業の財務状況が悪化した場合でも、債券投資家は株主よりもリスクが低く、資産の一部回収が可能です。

株主は企業の所有者であるため、債券者の後にしか資産の回収が行われません。

リスク①信用リスク

信用リスクは、債券の発行体が金融困難に陥り、予定された利息や元本の支払いを適時に行えない可能性があるリスクです。

このリスクは、発行体の信用度によって異なります。

政府債券(特に先進国のもの)は信用リスクが低いと見なされますが、企業債や新興国の債券はより高い信用リスクを持ちます。

信用リスクが高まると債券の価値は下落し、最悪の場合には投資家は投資額の一部または全てを失う可能性があります。

そのため、投資信託を買う前に信用評価や発行体の財務状況を慎重に評価する必要があります。

リスク②利率リスク

利率リスクとは、市場金利の変動が債券の市場価値に影響を与えるリスクです。

金利が上昇すると既存の低金利債券の価値は下落します。

これは新しく発行される債券がより高い利息を提供するため、既存債券が相対的に魅力を失うからです。

逆に金利が下がると、高い固定利息を提供する既存債券の価値は上昇します。

そのため金利変動は特に長期債券に大きな影響を及ぼし、価格の大きな変動を引き起こすことがあります。

投資家は金利予測と債券の満期までの期間を考慮してリスクを管理する必要があります。

記事まとめ

記事まとめ

投資信託には、投資エリアや投資方針などによって色々な種類に分けられます。

よく目にする債券型の投資信託とは、投資家から集めた資金を主に国や企業が発行する債券に投資し、利息収入や債券の価格変動による利益を目指す投資信託です。

債券の投資信託は、国や企業にお金を貸している状況で借りている側は返済義務があるため、低リスクというメリットがあります。

一般的には、国内より外国、債券より株式、インデックス型よりアクティブ型がハイリスク・ハイリターンという傾向があります。

できるだけリスクを抑えて投資したいのなら「国内債券のインデックス運用」をおすすめします。

監修者プロフィール
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。 個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動。 新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。 シニア層のお客様が多い中で資産運用だけでは本当の解決ができないと感じ、退職。 2020年、一般社団法人証券相続普及協会を設立。代表理事に就任。 終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、お客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
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