投資信託
投資信託とつみたてNISAの違いは?併用の方法やメリットを確認しよう
投資信託とつみたてNISAの違いは?併用の方法やメリットを確認しよう
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投資信託とつみたてNISAでは、課税方法や投資対象などに異なる点がいくつかある

将来に向けた資産形成を考えている方の中には、「投資信託」と「つみたてNISA」の違いがよく分からず、スタートにお悩みの方が少なくありません。

この記事では、投資信託とつみたてNISAの違いについて紹介していきます。

課税方法や投資対象などに異なる点がいくつかありますので、あらかじめ知っておくことが大切です。

またそれぞれのメリットや初心者におすすめのスタートの仕方、課税口座とつみたてNISAの併用の方法についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

投資信託とつみたてNISAの違い

投資信託とつみたてNISAの違い

投資信託は、複数の投資家から集めたお金を一つのまとまった資金として、資産運用のプロであるファンドマネージャーが運用する金融商品です。

一方で、つみたてNISAは国が定めた少額投資非課税制度です。

つみたてNISAは一般NISAと同様に、非課税投資枠内で得た分配金や譲渡益にかかる税金が毎年非課税となります。

つまり、投資信託は資産をプロが運用する金融商品であるのに対し、つみたてNISAは長期分散投資を目的とした非課税制度という違いです。

投資信託は資産をプロが運用する金融商品

投資信託は資産をプロが運用する金融商品

先述した通り、投資信託は複数の投資家から集めた資金を、プロのファンドマネージャーが株式や債券、不動産などの様々な投資対象に分散投資し、運用する金融商品です。

資金をどのような対象に投資するかは、投資信託ごとの運用方針によって異なります。

投資信託のメリット

投資の専門家であるファンドマネージャーが運用するため、リスク管理や手間を軽減できるなど様々なメリットがあります。

投資信託の具体的なメリットは以下の通りです。

  • 少額から始められる
  • リスク分散が可能
  • プロに運用を任せることができる

それぞれ詳しく紹介していきます。

少額から始められる

投資信託は、100円など少額から購入することができます。

大きな資金を必要としないため、資産を形成する第一歩を踏み出したい投資初心者の方でも始めやすいという点が大きなメリットです。

また、まとまった資金が必要な一般的な株式投資と比べ、投資信託であれば大きなリスクを取らずに始められるため、初心者が投資経験を積む上でのストレスも最小限に抑えることができます。

リスク分散が可能

投資信託のポートフォリオは、複数の株式や債券などの金融商品で構成されます。

これにより、特定の銘柄の価格変動で値下がりがあった際でも、他の銘柄が値上がりしていれば影響を和らげることができます。

異なる資産クラスやセクターに分散投資することで、特定のリスクに依存しないリスク分散が可能です。

プロに運用を任せることができる

投資信託はファンドマネージャーによって管理されます。

まず第一に、ファンドマネージャーは市場や経済の動向を専門的に分析し、投資判断を行うプロフェッショナルです。

これにより、一般の投資家が把握しきれない情報やトレンドに基づいて、最適な投資先が選定されます。

日常的に投資に対して多くの時間を掛けられない方や、自己の経験やスキルに自信のない方、投資に関する深い知識がない初心者の方には、資産運用をプロの手に委ねられる投資信託がおすすめです。

つみたてNISAは長期的な資産形成に向いている少額投資非課税制度

つみたてNISAは長期的な資産形成に向いている少額投資非課税制度

つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。

毎年40万円上限として、一定の基準を満たした投資信託に積立投資することができ、20年間で得た分配金と譲渡益が非課税になります。

一般NISAとつみたてNISAの違い

NISAには「つみたてNISA」の他にも、「一般NISA」があり、それぞれ違いがあります。

一般NISA口座 つみたてNISA口座
購入方法 スポット購入・積立購入 積立購入
年間投資上限額 120万円 40万円
非課税となる期間 最長5年 最長20年
対象商品 国内株式・外国株式・投資信託 国が定めた基準を満たした公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)
非課税対象 対象商品にかかる配当金・分配金、売却益

つみたてNISAの対象商品は、金融庁によって長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)が選ばれているため、投資初心者でも選びやすいのが特徴です。

一方、一般NISAは投資信託のみならず、国内外の株式やETFなど、投資できる商品の幅が広くなっています。

つみたてNISAのメリット

上記の通り、つみたてNISAは、長期・積立・分散投資に適した非課税制度です。

つみたてNISAの主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 最大20年間非課税で運用できる
  • リスクを抑えて少額から投資を始められる
  • 積立型なので投資のタイミングに迷わない

それぞれ詳しく解説していきます。

最大20年間非課税で運用できる

通常、投資による収益は課税対象となりますが、つみたてNISAを利用することで、その収益が最大20年間にわたり非課税となります。

つみたてNISA口座を活用した長期間の非課税運用により、元本と利益の複利効果が最大限に発揮され、効率的に資産形成を進めることができます。

リスクを抑えて少額から投資を始められる

つみたてNISAの上限額は月々約33,000円で、毎月100円程度から始めることができます。

株式投資などでは、大きな資金を一度に用意する必要があり、初心者や少額から始めたい人にとってはハードルが高いのではないでしょうか。

しかし、つみたてNISAでは、月々わずかな金額から始めることができます。

少額から始められるため、リスクを抑えながら資産形成の第一歩を踏み出せる点もつみたてNISAの大きなメリットです。

積立型なので投資のタイミングに迷わない

つみたてNISAは毎月、定期的に一定額を積み立てる仕組みになっています。

一括投資では、市場の変動や経済の動向を追うことで、投資のタイミングを見極めなければいけません。

一方、つみたてNISAは定期的に一定金額の買付が自動で行われます。

初心者でも投資のタイミングに迷うことがないため、投資を始める際のストレスを最小限に抑えることができます。

初心者にはつみたてNISA口座を活用した投資信託がおすすめ

初心者にはつみたてNISA口座を活用した投資信託がおすすめ

初心者がはじめて投資を行う場合は、つみたてNISAの税制優遇制度を活用しながら投資信託を購入する方法がおすすめです。

これには、少額から始められることや、最大20年間、年間40万円までの投資収益が非課税になることに加え、以下のような理由があります。

  • 手数料が低水準
  • 金融庁の審査を受けているため、信頼性が高い

それぞれ紹介していきます。

手数料が低水準

つみたてNISAを利用する場合は、一般的な投資信託のような購入時手数料がかかりません。

また運用管理費用についても、つみたてNISAが対象とする公募株式投資信託や上場株式投資信託(ETF)は、比較的低水準に設定されています。

上記の通り、つみたてNISA対象の商品は手数料が比較的低いです。

これにより、運用成績に対する手数料の負担が軽減され、実質のリターン向上を期待できます。

購入する商品に迷いにくい

つみたてNISAの投資対象は「公募株式投資信託」と「上場株式投資信託(ETF)」に限定されています。

そのため、投資初心者でも購入する商品に迷いにくいという特徴があります。

公募投資信託

公募投資信託は、不特定および50名以上の投資家を対象に募集をかける投資信託です。

主に個人投資家が投資する株式投資信託と公社債投資信託がこれに分類されます。

上場株式投資信託(ETF)

上場株式投資信託(ETF)は金融商品取引所に上場しており、株式と同様に市場で売買されます。

取引の柔軟性が高く、投資家はリアルタイムの市場価格で購入および売却が可能です。

つみたてNISAの投資対象はこれらの商品に限られているため、初心者でもリサーチや判断を比較的簡単に行うことができます。

選択肢が限定されているため、投資の基本原則である長期運用、定期的な積立、資産の分散を実践しやすくなるのです。

そのため、初心者でも無理なくリスク管理を行うことができるというメリットがあります。

月に約33,000円以上投資できるなら課税口座との併用も

月に約33,000円以上投資できるなら課税口座との併用も

月に約33,000円以上の投資が可能な方は、つみたてNISAと課税口座の併用も検討してみてください。

つみたてNISAは年間40万円までの投資利益が非課税となります。

課税口座を併用することで、非課税のメリットを最大限に利用しながら、非課税の範囲を超えての投資が可能です。

また先述した通り、つみたてNISAは一定の条件下でしか利用することができません。

課税口座であれば制限が少なく、つみたてNISAにはない投資先にも選択肢を広げることができます。

より多様な資産クラスや銘柄に投資してみたい場合は、課税口座の利用がおすすめです。

NISA口座と課税口座を併用する際の注意点

つみたてNISAと課税口座を併用する際には、以下のような点に注意が必要です。

  • つみたてNISAと課税口座の間で損益通算はできない
  • 課税口座で保有している投資信託はつみたてNISA口座に移管できない
  • 確定申告が必要になるケースも

併用を考えている人は参考にしてみてください。

つみたてNISAと課税口座の間で損益通算はできない

課税口座同士であれば損益通算が可能ですが、つみたてNISAと課税口座の間で損益通算ができません。

つみたてNISA口座で損失が生じた場合、課税口座での利益に対しては20.315%の税金が発生しますので、損益のバランスを考えながら運用する必要があります。

課税口座で保有している投資信託はつみたてNISA口座に移管できない

課税口座の投資信託をつみたてNISAで運用したい場合でも、特定口座で保有している投資信託は、つみたてNISA口座に移管できません。

一旦、課税口座で売却する必要がある点に注意しましょう。

逆につみたてNISA口座の投資信託を課税口座に移管することは可能ですが、税金が発生するため、非課税期間終了前の移管はあまりおすすめできません。

確定申告が必要になるケースも

つみたてNISAだけで運用する場合は確定申告は不要ですが、課税口座と併用すると以下のようなケースで確定申告が必要になります。

  • 源泉徴収ありの特定口座で損失が発生した場合
  • 源泉徴収なしの特定口座で20万円を超える利益が発生した場合

記事まとめ

記事まとめ

この記事では、投資信託とつみたてNISAの違い、それぞれのメリットや初心者におすすめのスタートの仕方、課税口座とつみたてNISAの併用の方法について紹介しました。

初心者の方には、つみたてNISAの税制優遇制度を活用しながら投資信託を購入する方法がおすすめです。

また資金に余裕があり、月に約33,000円以上の投資が可能な場合は、つみたてNISAと課税口座を併用する方法もあります。

ご自身の状況や目標を見直し、最適な投資方法を選んでみてくださいね。

ABOUT ME
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。 個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動。 新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。 シニア層のお客様が多い中で資産運用だけでは本当の解決ができないと感じ、退職。 2020年、一般社団法人証券相続普及協会を設立。代表理事に就任。 終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、お客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
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