投資信託
投資信託とNISAはどっちがおすすめ?それぞれの特徴や違いを解説
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投資信託とNISAではどちらがおすすめなのか、NISAを活用して投資信託を取引する方法などについても解説

将来に備えて資産形成をしていきたいと考えてはいるものの、投資信託とNISAの違いを知らない方は少なくありません。

この記事では、投資信託とNISAの違いを解説します。

また、投資信託とNISAではどちらがおすすめなのか、NISAを活用して投資信託を取引する方法などについても解説していきますので、資産形成を始めたいとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

投資信託とNISAの違い

投資信託とNISAの違い

簡単にいうと、投資信託は金融商品であり、NISAは国が作った非課税制度です。

まずは、それぞれの概要を確認していきます。

投資信託(投信)は金融商品

投資信託は、複数の投資家が資金を出し合い、投資のプロであるファンドマネージャーがその資金を一つの大きな資産として運用する金融商品です。

投資信託では、株式や債券、不動産などに分散投資を行い、リスクヘッジや収益性の向上を図ります。

少額から手軽に投資ができ、初心者でもプロの手に委ねることができるのが大きな特徴です。

NISA(少額投資非課税制度)は非課税制度

NISA(少額投資非課税制度)は、投資に関する税制優遇を提供する非課税制度です。

一定の範囲内での税制優遇を提供することで、個人が将来の資産形成を進める際に税金の負担を軽減し、資産の積み立てを促進することを目的としています。

通常、株式や投資信託から得られる利益は課税対象となりますが、NISAの枠内での投資利益は非課税となる仕組みです。

NISAは「NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類

NISAには、「NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つの種類が存在します。

  1. NISA(一般NISA)
    一般的なNISAで、成人の方が利用可能です。年間の非課税枠内で、株式や投資信託を活用して資産形成ができます。
  2. つみたてNISA
    定期的な積み立てが特徴で、毎月一定の金額をNISA口座に積み立てることができます。定期的な取引のためリスクヘッジが期待され、少額からの資産形成が可能です。
  3. ジュニアNISA
    未成年者向けのNISAで、保護者が設定し、運用します。子供の将来のために資産を形成することが目的であり、18歳になるまで保護者が代理で管理する仕組みです。

つみたてNISAと一般NISAでは、非課税枠と非課税期間の2つが大きく異なります。 

つみたてNISAは1年間に非課税で運用できる額は40万円ですが、一般NISAは1年間で120万円です。

またつみたてNISAの非課税期間は最長20年ですが、一般NISAは最長5年とされています。

このように、一口にNISAといっても種類によって違いがあるため、自分のライフスタイルや投資目的、将来の資産形成戦略に合わせて選択することが重要です。

実際どっちがおすすめ?

実際どっちがおすすめ?

投資信託は投資家の資産をプロが運用する金融商品、NISAは非課税投資枠で運用して得た利益について、一定期間が非課税になる制度という違いがあることがわかりました。

では投資信託とNISA、実際はどちらがおすすめなのでしょうか?

結論から言うと、投資信託とNISAのどちらがおすすめなのかは投資家によって異なります。

自分の状況やライフスタイル、投資目標や目的に対して、最適な資産形成の手段を選ぶことが非常に重要です。

ここでは、投資信託がおすすめの人、NISAがおすすめの人について、それぞれ解説していきます。

投資信託がおすすめの人

投資信託は手軽でリスク分散がしやすいため、長期投資が向いています。

初心者や少額から始めたい方、投資に自信がなくリスクを抑えたい方にとって魅力的な資産形成手段です。

以下のような人には投資信託がおすすめです。

  • 少額から資産運用をはじめてみたい人
  • 投資の経験がない人
  • リスクを抑えて投資をしたい人

それぞれ紹介していきます。

少額から資産運用をはじめてみたい人

投資信託は積立型なら月1,000円〜など、少額から始めることができるため、若い人や貯蓄が十分でな人に適しています。

少額から始めることで、リスクを分散しながら投資を進めることができます。

投資の経験がない人

投資信託は、資産運用のプロであるファンドマネージャーが、その知識と経験を活かして投資家の資産を運用するため、投資初心者でも安心して始めることができます。

銘柄の選定や市場の動向を深く理解する必要がなく、プロのファンドマネージャーが運用を担当するため、投資に関する専門的な知識がなくても始めることができます。

リスクを抑えて投資をしたい人

投資信託は複数の銘柄や資産クラスに分散して投資を行います。

単一の銘柄や資産クラスに依存することなく、ポートフォリオ全体のリスクを分散させることができ、リスクヘッジをしながら資産形成を進めることができます。

NISAがおすすめの人

NISAはある程度の投資経験がある人に向いている制度

ただし、条件や制約に注意して活用することが大切です。

    • まとまった資金で運用したい人には一般NISA
    • 大きくお金を増やしたい人には一般NISA
    • 少額でコツコツ投資したい人にはつみたてNISA
    • 将来に向けて中長期で資産形成をしたい人にはつみたてNISA

それぞれ紹介していきます。

まとまった資金で運用したい人には一般NISA

一般NISAは年間120万円(※制度改正により2024年からは122万円まで)の非課税枠があります。

そのため、一般NISAのこの非課税制度を最大限生かし、リスクを取りながら大きなリターンを目指す、まとまった資金で運用したい人にとって効果的な手段となります。

大きくお金を増やしたい人には一般NISA

一般NISAは大きなリスクを取りながらも、その分高いリターンを期待できる制度です。

大きな金額を投資することで、その分リターンも大きくなります。

大きなリスクを許容することができる場合は、株式や成長性の高い銘柄への投資が可能になり、より大きなリターンを期待できます。

そのため、市場の変動を受け入れながら、大きなリターンを目指して投資がしたい人には一般NISAがおすすめです。

少額でコツコツ投資したい人にはつみたてNISA

つみたてNISAは毎年の上限が40万円と少額ながらも、定期的に投資できるため、少額からコツコツと資産を積み上げたい人に適しています。

将来のために安定的な積み立てを重視する方におすすめです。

将来に向けて中長期で資産形成をしたい人にはつみたてNISA

つみたてNISAは、将来の教育資金や住宅購入資金などの目標に向けて中長期で資産を形成するのに適しています。

資産をコツコツと積み立て、教育資金や住宅購入資金など、将来の大きな支出に備えたい人に向いています。

つみたてNISAは、将来の目標に向けてコツコツと資産を積み立てたい人や将来の支出に備えつつリスクを分散したい人に最適な選択肢といえます。

NISAを活用して投資信託を取引する方法も

NISAを活用して投資信託を取引する方法も

ここまで、投資信託がおすすめの人、NISAがおすすめの人についてそれぞれ紹介しましたが、実は「NISAを活用しながら資信託を取引する方法」もあります。

NISAを通じた投資信託のメリットは以下の通りです。

メリット

  • 非課税制度の恩恵を受けながら投資信託ができる
  • 投資信託は1円単位での購入が可能なため、非課税枠を最大限活用できる

それぞれ確認していきましょう。

非課税制度の恩恵を受けながら投資信託ができる

通常、投資信託を購入した場合、これらを売却して得た利益や受け取った分配金には約20%の税金がかかります。

NISAなら、特定口座や一般の課税口座と比較して、一定範囲内の利益や分配金が非課税となる点が大きなメリットです。

一般NISAは、上場株式や投資信託を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有することができます。

つみたてNISAの場合は、年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有可能です。

保有中や、将来の引き出し時に発生する税金を軽減し、投資信託での資産形成を効果的に進めることができます。

投資信託は1円単位での購入が可能なため、非課税枠を最大限活用できる

投資信託は購入額を自由に調整でき、少額から1円単位での購入が可能です。

そのため、NISAの非課税枠を最大限に有効活用することができます。

例えば一般NISAの場合は最大非課税投資枠が120万円となっていますが、株式やREIT、ETFといった上場株式は1株当たりの金額が大きく、非課税枠が余ってしまうことがあります。

投資信託は1円単位で少額から購入可能なため、上場株式の購入後に余った非課税枠を最大限に活用することができます。

「NISA口座を通じて投資信託を購入してはいけない」という記事をよく見るけど大丈夫?

NISAでの投資信託について調べていて、「NISA口座を通じて投資信託を購入してはいけない」という記事を見かけた方も多いのではないでしょうか。

このように言われる大きな理由としては、以下のようなことが考えられます。

  • 損益通算できない
  • 繰越控除できない

損益通算できない

通常、一般の投資信託口座では、異なる銘柄や投資商品で発生した損失と利益を相殺して支払う税金を減らせる仕組みがあり、これを損益通算と呼びます。

NISA口座は、他の口座との損益通算ができません。

各口座ごとに損失や利益が計算され、課税口座での利益は課税対象となります。

つまり、NISA口座で損失が発生しても、他の口座で得た利益で相殺できないため、全体の損益が非課税枠内であっても、課税口座では非課税の優遇が受けられません。

NISA口座では損失を出さないことが重要になります。

繰越控除できない

一般の投資信託口座では、繰越控除と呼ばれる仕組みがあります。

発生した損失を繰越でき、翌年以降の利益と相殺して税金の計算ができる仕組みです。

確定申告によって最長3年間、損失を繰り越すことができます。

しかしNISA口座では、この繰越控除が認められていません。

繰越控除ができないため、ある年度で大きな損失が発生しても、それを次の年度の利益で相殺できない点に注意が必要です。

損をしないためにはどうしたら良い?

このように、損失が発生した場合、NISAではデメリットが大きくなってしまいます。

逆に、NISAで購入した商品の利益は非課税のため、利益が大きければ大きいほど非課税のメリットも大きくなるのです。

そのため、非課税期間以内に値上がり益が出る見込みがある投資信託を買うことが重要になります。

NISA口座を通じて投資信託を購入する流れ

NISA口座を活用して投資信託を取引する流れは以下の通りです。

  1. NISA口座の開設
    まず、NISAを活用するには、NISA口座を開設する必要があります。金融機関や証券会社など、提携している機関で口座を開設しましょう。口座開設には身分証明書やマイナンバーなどが必要です。
  2. NISA口座への入金
    口座が開設されたら、NISA口座に一定額以上を入金します。NISA口座には毎年一定額までの非課税枠があるため、その範囲内で入金します。
  3. 投資信託の選定
    口座に入金したら、購入する投資信託を選びます。投資信託には様々な種類やリスクがありますので、自身のリスク許容度や投資目的に合わせて選ぶことが重要です。
  4. 投資信託の購入
    購入する投資信託を選んだら、証券会社の取引画面などを利用して購入しましょう。

先述した通り、NISA口座では、一定の枠内で得た利益が非課税となります。

またNISA口座には年間の非課税上限がありますので、この上限を超えないように注意し、必要に応じて複数年に分けて投資することも考慮しましょう。

記事まとめ:自分に合う資産形成の方法を選びましょう

記事まとめ:自分に合う資産形成の方法を選びましょう

この記事では、投資信託とNISAの違いを解説しました。

投資信託は資産運用のための金融商品であり、NISAは投資における税制優遇措置を提供する制度です。

投資信託とNISAのどちらがおすすめなのかは投資家によって異なります。

無理のない範囲で、ライフプランや投資目標などを考慮し、自分に合う資産形成の方法を選ぶことが重要です。

またNISA口座を通じて投資信託を購入する方法もありますが、こちらはある程度投資経験や知識がある方に向いているかもしれません。

メリットだけではなく、デメリットを理解した上でご自身のリスク許容度の範囲内の資産運用を心がけましょう。

監修者プロフィール
小林裕
小林裕
一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。 個人向けの資産運用コンサルティングを中心に活動。 新人賞、社長優秀賞などを数多く受賞。 シニア層のお客様が多い中で資産運用だけでは本当の解決ができないと感じ、退職。 2020年、一般社団法人証券相続普及協会を設立。代表理事に就任。 終活カウンセラー1級や上級相続診断士の資格も取得し、お客様の大切な資産を「ふやす、まもる、つなぐ」をモットーに活動している。
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