FXの税金はいくらから?確定申告や節税対策、経費対象リストまで解説

FXではどのような税金が発生し、どんな場合に納める必要があり、どういった手続きが必要となるのでしょうか。

このあたりが不確かなままFXを始めると、後々大変なことになってしまうかもしれません。

FXに関連する税金の知識をまとめたので、ぜひ覚えておきましょう。

FXにかかる税金の基本を押さえる

まずはFXにかかる税金の基本的な知識について解説します。少々堅苦しい用語も含まれますが、押さえておくべきポイントはそれほど多くはありません。しっかり把握しておきましょう。

税金の仕組みとその対策

当たり前の話ですが、日本ではお金を稼いだら所得税を納めなければなりません。

FXで得た利益に関しても課税対象となり、1年間で一定以上の金額(給与所得がある場合、給与以外に20万円以上)を稼ぐと確定申告をして税金を納める必要があります。

この際、ちょっとした対策を施すことで税額を減らすことも可能です

また、勤め先にFXをやっていることを知られないようにする方法もあります。ここから紹介する税金の仕組みと、その対策方法をしっかりと頭に入れてFXに取り組みましょう。

所得税の一種である雑所得

日本の税制上、FXでは為替差益とスワップポイントによる利益に対しては税金が課されるようになっています。これらの利益は「雑所得」というカテゴリに属します。

雑所得は9種類の所得(給与所得・退職所得・一時所得・利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得)のいずれにも該当しない所得のことで、FXの他には暗号資産(仮想通貨)、原稿料、講演料、年金、印税なども雑所得に含まれます。

これら10種類の所得を合計し、そこから経費や控除を差し引いた金額に税金がかかります。これが所得税の基本です。

あなたの損益は全て把握されている

「利益の額もたいして大きくないし、申告しなくてもばれないのでは?」と考える人もいますが、それは大間違いです。

FX会社は口座開設時にマイナンバーの登録を行っている上、顧客の取引損益等を記載した支払調書を税務署に提出しており、税務署側は個人投資家がFXで利益を上げていることも、確定申告していないことも全て把握しています

利益を上げているにもかかわらず確定申告を行わないでいると、ペナルティとして追加で課税される可能性もあるので注意が必要です。

FXで利益が出た場合は、きちんと確定申告を行って納税しましょう。なお、確定申告のやり方が分からなければ、税務署やFX会社に相談すれば教えてもらえます。

FXの税金はFX単独で課税される

前述の通り、FXの利益は雑所得に分類されるのですが、他の雑所得とは扱いが異なり、税制上は「先物取引に係る雑所得等」として「申告分離課税」の対象となります。

申告分離課税は確定申告が必要で、他の雑所得とは分離して単独で課税されるようになっています。このルールになったのは2012年からで、儲けた金額によって税率が変動せず、他の所得と混じらないのがポイントです。

申告分離課税の税率は一律20.315%で、その内訳は所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%となっています。

FXの税金の重要ポイント

FXにまつわる税金に関しては、知っておかないと損をすることもあります。ここでは、必ず押さえておきたい重要なポイントを解説しましょう。

確定申告はいくらから?絶対にしなければいけない人の条件

給与所得がある場合は、給与以外の所得合計が年間で20万円を超える場合は確定申告をしなければなりません。

また、専業主婦や学生で扶養に入っている場合は、38万円以上の利益が出た場合に確定申告する必要があります。

なお、給与の年間収入が2,000万円を超える人や個人事業主は、他に所得があるかどうかにかかわらず確定申告をしなければなりません。

確定申告が必要な人

  • 年収2,000万円以下の給与所得者で、給与以外の所得が年間で20万円を超えた人
  • 年収2,000万円を超える給与所得を得ている人や個人事業主
  • 被扶養者(主婦や学生など)で、年間で38万円を超える所得を得た人

年収2,000万円以下の給与所得者で、1年間のFXの利益が20万円以下の場合は原則として確定申告は不要ですが、他の株式や不動産などの投資で得た所得が20万円を超える場合は確定申告が必要となるので注意が必要です。

例えば、FXでの所得が10万円だったとしても、株式で50万円の所得があれば確定申告をしなければなりません。

損失は3年間の繰り越しができる

FX取引では、1年間を通して損失を出した場合、翌年以降3年間にわたって損失を繰り越して翌年以降の利益と相殺する繰越控除が可能です

例えば、ある年に100万円の損失を出してしまったとしましょう。

その損失分の確定申告を行っておけば、以後3年間で毎年20万円を超える利益を上げたとしても、トータルでの利益が20万円を超えなければ課税対象とはなりません。

(例)1年目に100万円の損失があり、2年目に35万円の利益、3年目に30万円の利益、4年目に40万円の利益を上げた場合

1年目 -100万円→損失を申告(繰り越し)

2年目 +35万円→利益が20万円を超えているが前年とのトータルは-65万円なので課税なし(繰り越し)

3年目 +30万円→利益が20万円を超えているが前年とのトータルは-35万円なので課税なし(繰り越し)

4年目 +40万円→利益が20万円を超えているが前年とのトータルは+5万円なので課税なし

1年間での利益が20万円以下の場合、確定申告する義務はありませんが、この繰り越し控除があるので、損益がマイナスでも申告しておくことをおすすめします

経費として認められる主なもの一覧

FXで課税対象となる利益は、「1月1日~12月31日の1年間における為替差益+スワップポイント-諸経費」で求められます。必要経費が多いほど利益を少なくすることが可能で、申告する金額を抑えられます。

FXの場合は利益を得るために直接かかった費用が経費となります。

明確な規定や基準はないので、自身の判断で経費と思われるものを申告しましょう。以下に挙げたものは一例ですが、経費として認められる可能性が高いと言えます。

  • トレードに必要なパソコンやモニター、スマホ、机、椅子などの購入費用
  • トレードにかかるインターネット代、電話代
  • 勉強するための新聞、雑誌、書籍などの購入費用
  • 筆記用具、消耗品、プリンター等の購入費用
  • トレード専用ルームの家賃、光熱費、管理費、家具などの費用
  • FXソフトやEA(自動売買プログラム)、VPS(仮想専用サーバ)などの費用
  • FXに関係するセミナーの受講費用
  • セミナーに行くための交通費、宿泊費
  • セミナー後の懇親会の費用
  • トレーダー仲間との情報交換のための飲食代などの交際費

先物取引やCFDと損益通算ができる

FXの1年間の取引においては、先物取引に係る雑所得等として申告分離課税の対象となるもの同士で損益通算することができます。

損益通算とは、利益と損失を相殺することです。例えば、AというFX会社での取引で損失が出た場合、BというFX会社の取引で出た利益の額からA社での損失を差し引いて(損益通算して)、課税所得を少なくすることができるわけです

また、同様の理由で商品先物取引や日経225先物取引、CFD取引における損益と通算することも可能です。仮にFXで利益が出ていても、先物取引やCFD取引で損失が発生している場合には損益を相殺できます

会社にばれたくない場合は普通徴収にする

一般的に、FXは「事業」ではなく「投資」であるため、副業には該当しないとされています。とはいえ、FXで利益を出していることを勤務先に知られたくない方も少なくないでしょう。

では、会社にばれないようにするにはどうすれば良いのか? それは住民税の納付方法を、自分で納付する「普通徴収」に切り替えることです

住民税の徴収方法には特別徴収と普通徴収があり、給与所得者は通常、特別徴収(会社が給与から天引きするなどの方法で納付)になっています。

しかし給与天引きのままにしていると、FX所得の確定申告によって年収額と共に住民税額も変更されるため、勤務先に「何かの副収入があった」ことが知られることとなります。

そこで普通徴収に切り替えれば、勤務先に住民税額が通知されることがなくなるため、FXをしていることがばれることもないのです。

会社に知られたくないという方は、確定申告時に住民税の納付方法を選択できるので、普通徴収を選択しましょう。

FX分の住民税納付は会社の給与所得に対する源泉徴収の超過分のみとなるので、普通徴収にすることによって損をすることはありません。

法人口座の場合はどうなる?

FX取引は個人だけでなく、法人でも行えますが、法人口座の場合はFXの利益や損失は事業のものになるので、経費として計上できる範囲が拡大するのがポイントです

基本的に、法人としての活動に欠かせない支出は必要経費として認められます。例えば人件費ですが、役員報酬を経費として計上することができるので、その人数を増やせば大きな節税になります。

また、法人口座には「25倍以上のレバレッジでの取引が可能」「損失を10年間繰り越しできる」というメリットもあります。作るのに手間はかかるものの、目立つデメリットはないので、利用できる人は試してみても良いのではないでしょうか。

確定申告の流れ

ここからは、実際に確定申告する際の流れを説明します。ざっくりいうと、国税庁のホームページで確定申告書を作成し、それを税務署に提出するだけです。

「ずっと会社勤めだったのでやったことがない」という人も多いかもしれませんが、決して難しいものではありません。

例年、確定申告の期間は2月16日から1か月間ですが、2020年(令和2年)分の確定申告期間については、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年4月15日まで延長されています。

FX会社の公式サイトなどから損益報告書を手に入れる

まずは年間の損益を計算するために、使っているFX会社で年間収益報告書を入手する必要があります。

年間収益報告書とは、当該年1月1日から12月31日までの取引損益、取引手数料等の合計が記載された報告書です。

例えばDMM FXであれば、取引ツール上の「報告書」画面から「期間損益報告書」を選択し、年始営業日から年末営業日を期間指定すると確認・印刷できます。損益報告書を参考に、年間の損益を確定申告書に記入します。

国税庁のホームページで情報を入力

確定申告書の作成は、国税庁の確定申告特集ページにアクセスすれば、比較的簡単に行うことができます。

国税庁の確定申告特集ページ 国税庁の確定申告特集ページ画像 確定申告書作成コーナー画像

ページ右上の「確定申告書等の作成はこちら」→「作成開始」をクリックし、手順に従って必要な情報を入力しましょう。

なお、確定申告書はマイナポータルAPというアプリをインストールすればスマホ(Android端末でもiPhone端末でもOK)からでも作成、提出できます。

必要な書類一式を税務署に提出

確定申告書が完成すれば、あとは税務署に提出するだけです。

提出方法は、「e-Taxを使う」「郵送する」「会場に持参する」といった3つの方法があります。その中でも、おすすめは便利なe-Taxです。

e-Taxはインターネットを利用して電子的に手続きが行えるシステムで、会場に行く手間や時間を省けるのがメリットです。

2021年は新型コロナウイルスの影響で確定申告会場への入場に整理券が必要な上、入場時には検温、マスクの着用、手指消毒などが求められます。

感染防止の観点からも会場へは行かずにe-Taxを利用する、もしくはウェブ上で作成した確定申告書を印刷して郵送する方法を選択するのがベターでしょう。

ワンポイントコラム

確定申告は思っているほど難しくない


サラリーマンの場合、副業をしていない人にとって確定申告は未知の世界であり「なんだか面倒くさそう、難しそうと」いうイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし実際にやってみると、画面の案内に沿って入力するだけなので、税金に関する知識がなくても割と簡単に済ませることができます。

確かに、確定申告書は入力する項目が多く、多少分かりづらい部分もありますが、画面の項目欄にある「?」マークをクリックすると、その項目についての説明が表示されるようになっていて、それを見ながら進めれば大体の問題は解決します。

確定申告書が完成すれば、あとは提出するだけ。1度経験すると分かるのですが、e-Taxを使えば自宅で全て完結するので、意外とあっさり終わります。そんなに気構える必要はありません。

海外FX・仮想通貨・個別株の税金について

国内FXの税金について理解したところで、海外FXや仮想通貨、個別株の税金がどうなっているかも見ておきましょう。

海外FXで得た利益も確定申告が必要

海外FXをやっている方の中には、「海外FXなら申告しなくてもバレないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、それは危険です。

海外FXで得た利益も日本国内で確定申告を行って税金を納める義務があり、申告を怠ると税務署からペナルティを受ける可能性があります

日本の税務当局は海外FXの取引に対しても絶えず監視の目を光らせており、申告をしていない人は確実にマークされます。悪質な脱税と判断されれば、最悪の場合逮捕される可能性もあるので、海外FXで利益が生じた場合も必ず確定申告しなければなりません。

そもそも大前提として、海外FXは出金トラブルなども報告されているため避けるべきですが、税制面の観点からも避けた方がいいでしょう。

海外FXの税金は雑所得の総合課税に分類され、所得に応じて税率が上がる累進課税(5~45%)となるからです

総合課税では給与所得や不動産所得など、他の所得と合算した後に税金を算出する仕組みとなっており、稼げば稼ぐほど税金が高くなります。

もともと年収が高い人や、FXで大きな額を稼いでいる人の場合、国内FXの方が税制面でお得です

また、海外FXには損失の繰り越しができないというデメリットもあります。課税対象となる損益は1年サイクルで確定するため、前年にどれだけ損失があったとしても、翌年に得た利益に対してのみ課税され、税金を抑えることができません

加えて、国内FXとは損益を通算することができず、海外FXの利益はそのまま課税対象となる点も覚えておきましょう。

暗号資産(仮想通貨)も現時点では海外FXと同じ扱い

暗号資産(仮想通貨)の税金に関しては、今のところ海外FXと同じ雑所得の総合課税に分類されており、損益通算や繰越控除ができないようになっています。

1年間で20万円を超える利益が生じた場合は、必ず確定申告を行わなければなりません。

税務上の取り扱いが明確に定まっているとはいえず、今後、暗号資産(仮想通貨)の社会における立ち位置が変化すれば、それに伴って課税方法も変わる可能性があります。最初に述べた通り、FXも2012年より前は総合課税でした。

株式の税金はFXと別のスキーム

株式の税金は、FXとも暗号資産(仮想通貨)とも異なるスキームになっています。

株式はFXと同じ申告分離課税ではあるものの、譲渡所得や配当所得に該当するため、FXとの損益通算ができません。

例えば、株式で50万円の利益を出し、FXで50万円の損失を出した場合、実質的な損益はゼロになりますが、損益を通算できないので株式の利益50万円にかかる税金を負担することになります。

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