子どものための損害保険は加入すべき?補償や商品の特徴について解説

性格などの個人差はあるものの、成長期の子どもの行動は親でも予測できません。遊びのつもりでよその子どもにケガをさせてしまったり物を破損してしまったりと、思わぬ事故が起こることがあります。

何か起こったときには、親として責任を取る必要がありますし、子ども本人のケガなども考えられ、心配はつきません。子ども向けの損害保険にはそれらをカバーできるものがあります。万が一に備えて、子どもの損害保険の加入を考えてみてはいかがでしょうか。

子どもが損害を起こしてしまうことも…保険に入っておく必要はある?

子どもは大人や友人、自然など周囲との関わりを通して成長します。また、保育園・幼稚園から小学生、中学生と年齢が上がり、クラスメイトとの交流やクラブ活動などで活発に行動する機会が増えることで、思わぬ事故にあう可能性も高まってきます。保険に加入していれば、そうしたトラブルに備えることができます。

子どもに関するケガや傷害、物損などのリスクに備えるために、保険の候補として主に挙げられるのは「子ども総合保険」と「個人賠償責任特約」です。それぞれの内容を確認し、各家庭に合った商品を選ぶ必要があります。

「子ども総合保険」と「個人賠償責任特約」の内容

子ども総合保険

第三者の身体や物に損害を与えたときに保険金が支払われる「賠償補償」を含め、子ども本人のケガなどを補償する「傷害保険」、扶養者に万が一のことがあった場合でも学業を続けられるよう支払われる「育英費用」など、幅広く対応するセットの保険となっています。

個人賠償責任特約

一般的に単独で販売されておらず、火災保険や自動車保険などに「特約」として付帯する保険です。「子ども総合保険」の「賠償補償」と同様、第三者の身体や物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負ったときに保険金が支払われますが、子ども本人のケガなどを保障する「傷害保険」等はありません。また、子どもだけでなく家族全員が補償の対象になります。

子どもが起こした事故で多額の損害賠償が発生した事例も

遊びの延長で友達にケガをさせてしまうというケースは少なくありません。

特に近年問題になっていることのひとつに自転車での事故があります。「自転車の事故なんてたかが知れているだろう」と軽く見てしまう人もいますが、そうとも限りません。

自転車事故の例

実際に2008年に神戸市で起こった事故を例に説明しましょう。当時11歳だった児童が下りの坂道を走行中に、当時67歳の散歩中の女性と正面衝突したという事故です。

これによって女性は頭部を強打し、寝たきりの生活を余儀なくされました。 裁判の結果、神戸地裁が児童の母に対して下した判決はおよそ9,500万円という高額な賠償金の支払い命令でした。

実際に事故が起こってから「保険に入っていれば良かった」と後悔しても取り返しがつかないということは、容易に想像できます。このように、思わぬ事故や事件の当事者になってしまう可能性もあるのです。

子ども向けの総合保険

「子ども総合保険」で補償されるのは、主に「傷害保険(基本補償)」「賠償補償」「育英費用」「救援者費用」です。具体的には以下の例が挙げられます。

ただし、商品によっては内容が異なることもあるため、オプション範囲などの確認が必要です。また、以下の例に当てはまる場合でも、事故状況などで保険金支払いの対象とならないケースがあります。

傷害保険(基本補償)

学校内だけでなく、登下校中の交通事故をはじめ日常生活での入院・通院に関する費用を補償。後遺障害や死亡についても保険金が支払われます。

:
・部活動・スポーツ中に転んだ
・登下校中、車にはねられた
・日常生活で動物にかまれた

賠償補償

友達と遊んでいるときに相手をケガさせてしまったり、駐車してあった車に傷をつけてしまったりと、他人の身体や物に誤って損害を与えてしまったときの賠償責任について保険金が支払われます。

:
・自転車に乗っていて人とぶつかってしまった
・線路に入り電車を運行不能にさせた

育英費用

扶養者に万が一のことがあり、死亡あるいは重度の後遺障害を被ってしまった場合、子どもの育英費用を補償します。

:
・保護者が交通事故で死亡した

救援者費用

子どもが行方不明になった際の捜索や救助活動などの費用を補償します。

:
・山で遭難した
・旅行中に事故で行方不明となった

保険が適用されないケース

「子ども総合保険」が適用されないケースは以下のような場合があります。ここでご紹介するのは一例です。商品によって条件が異なる場合もあるため契約時に詳しい内容を確認しましょう。

傷害保険(基本補償)が適用されないケース

・スカイダイビングなど「危険な運動」によるケガ
・保険金を受け取るための故意によるケガ
・自殺行為や犯罪行為、闘争行為によるケガ

賠償補償が適用されないケース

・通貨や宝石などが「受託品」だった場合の損害賠償責任
・故意での暴行・殴打による損害賠償責任
・世帯を同じくする親族に対する損害賠償責任

育英費用が適用されないケース

・飲酒運転などによる事故が原因の場合
・細菌性食中毒・ウイルス性食中毒による場合

救援者費用が適用されないケース

・山岳登はん(ピッケルやアイゼンなどの用具を使う登山)など「危険な運動」をしている間の事故
・地震や噴火、またはこれらによる津波
・むちうち症・腰痛等で医学的検査による裏付けがないもの

保険加入時に確認しておきたいポイント

「子ども総合保険」の加入時に確認しておきたいポイントは大きく分けて次の3点です。

ほかの保険との重複

補償範囲が幅広いため、既に加入している保険があれば重複する可能性が大です。例えば生命保険・学資保険に加入している場合、教育資金の面はすでにカバーされているため「育英費用」のメリットは薄くなります。かぶっている保険がないか見直すと無駄がありません。

子どもの活動傾向を考慮

家の中で本を読んだりゲームをしたりすることが多い子どもと、運動が好きだったり、ひんぱんに外出したりする活動的な子どものリスクは、完全に同じとはいえないでしょう。後者であれば幅広い補償の必要性は比較的高くなります。子どものライフスタイルも踏まえて検討しましょう。

行政制度活用の可能性

「傷害補償」に関しては、行政区ごとに対象年齢を定める「乳幼児医療費助成制度」というものを用意しているため、自分の子どもがその制度を利用できる年齢かを確認してみましょう。居住地域の助成が15歳までであれば、中学校卒業までの補償があります。

個人賠償責任特約

個人賠償責任特約とは

  • 子どもが他人を傷つけたり財産を毀損してしまったりした場合の損害賠償をカバーしてくれる特約
  • 家族の中の誰かが自動車保険や火災保険などにこの特約を付帯していれば、子どもを含め家族全員の賠償リスクに対応できる

ただし、あくまで損害保険商品についている特約であることから、メインの保険契約を変えた場合は消滅してしまいます。そのため途中で別の保険に乗り換えたり、自動車保険であればマイカーを手放したりする場合は注意が必要です。メインの保険を解約する際は、特約の存在を忘れないようにしましょう。

特約の対象となる例

  • 自転車で誤って他人に衝突しケガをさせた
  • キャッチボールの練習で誤って他人の家の窓ガラスを割った
  • 店の陳列物を落として破損させた
  • おもちゃを振り回して友人にケガをさせた
  • 洗濯機のホースを外して階下まで水漏れの被害が及んだ
  • 飲食店で食べ物をこぼし、他人の服を汚してしまった

保険が適用されないケース

基本的に「個人賠償責任特約」の対象外となるケースは「親族への賠償」や「他人から借りた物の損害賠償」「業務上の過失」「天災に起因する賠償」「自動車事故の損害賠償」「けんかに起因する賠償」などです。

このうち子どもに関係する項目は、主に「親族への賠償」「他人から借りた物の損害賠償」「けんかに起因する賠償」となるでしょう。

「個人賠償責任特約」の対象外となる具体例

  • 同居の祖母に自転車でぶつかり、骨折させてしまった場合
  • 兄弟同士で遊んでいてケガをしてしまった場合
  • 親のパソコンを壊してしまった場合
  • 人から借りたカメラを落として壊してしまった場合
  • けんかなどの行為による事故で相手にケガをさせた場合
※ただし「責任能力のない小さな子ども同士のけんか」など、補償されるケースもあります。

保険加入時に確認しておきたいポイント

「個人賠償責任特約」の加入時に確認しておきたいポイントは大きく分けて次の3点です。

ほかの保険との重複

自動車保険やクレジットカードなどの特約となるため、既に加入していて重複するということもあります。もし重複して加入していたとしても、実際に損害賠償責任を負った範囲までしか補償が受けられません。保険料が無駄にならないよう、事前に確認しておくことをおすすめします。

示談交渉サービスの有無

事故を起こしてしまったとき、被害者との示談交渉を代行してくれるサービスが付いている商品があります。相手と自分の認識が異なる場合など、直接交渉するのは不安です。保険会社が間に入って交渉してくれるサービスが付いているかどうかも検討基準の一つになります。

保険金の支払い限度額

大きな事故になると、数千万円の損害賠償が必要になってきます。そのため、各商品の支払い限度額もチェックしておかなければなりません。中には無制限としている保険会社もありますが、1億円など保険金の限度額を設けているのが一般的です。

子ども向けの保険にはどんな選択肢がある?

子ども向けの保険の中から2つほど商品例を紹介します。

coop共済 個人賠償責任保険

保護者が賠償責任を負うものに対応してもらえる保険です。そのため契約者から子ども、ペットに至るまで幅広くカバーされています。月々の掛け金は低いですが、最高3億円までの補償額が設定されています。

総合保険センター 小学生総合保険

学校外でのケガや病気、熱中症や災害時における事故など手厚くカバーされた保険です。他人にケガをさせてしまった場合や物を破損させた場合には、子どもはもちろん保護者やペットに至るまで補償対応になります。

まとめ

子どもの健やかな成長を見守るために、入っておくと安心な保険。子どもに関する保険選びでポイントになるのは、「子ども総合保険」と「個人賠償責任特約」です。

子ども総合保険」は「傷害保険(基本補償)」「賠償補償」「育英費用」「救援者費用」というセットの内容となっており、子どもについて幅広い補償を受けられるのが特徴です。それに対し、ほかの保険商品に付帯する「個人賠償責任特約」の補償は他者に対する損害に限定されますが、子どもだけでなく家族全員が対象となります。

どちらもほかの保険との重複がないよう気をつけ、加入を検討してみてください。

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