がん保険は何歳から入るべき?保険が必要な年齢と加入率

「がん」は、誰もがなりうる可能性がある病気で、治療に多額の費用がかかるケースもめずらしくありません。

そのような場合に備えて加入できるのが、「がん保険」です。

がん保険に加入すると、がんと診断されたときや手術を受けたときなど、契約内容に応じてさまざまなお金が受け取れます。

もちろん、保険に加入するためには保険料の支払いが必要なため、家計との相談も必要です。はたして何歳から加入すればいいのでしょうか。そして、加入している人はどれくらいいるのでしょうか。

がん保険の加入率はどれくらい?

生命保険文化センターが全国の18歳から69歳を対象に行った調査によると、がん保険への加入率は37.3%と分かりました。

およそ3人に1人が加入していることになり、がんに対して備えている人が決して少なくない様子がうかがえます。

しかし、がん保険に加入していない人の方が多いことも事実。がん保険に加入しない理由には、保険料がかかる、医療保険に加入していれば十分と考えているなどがあるようです。

しかし、がん保険には医療保険とは明確な違いがあります。

がん保険 医療保険
対象 「がん」のみ 病気がケガなど
入院・通院の対象日数 がんの入通院であれば保険適用の対象となる日数に限りがない 保険適用の対象となる入通院日数に限りがある
免責期間 加入後90日間など保険が適用できない免責期間がある 加入後すぐのケガや病気が保険の対象となる

がん保険の大きなメリットのひとつは、保険適用の対象となる入通院日数に限度が設けられていないこと。

これは、がんには、治療をしても再発や転移といったリスクがあるためです。そのため、万が一再発や転移がおこると、最初の治療を含めて多くのお金が必要になってしまいます。

しかし、がん保険に加入することで、再発や転移の場合でも治療費の心配を減らすことができます。

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年齢別の加入率は?

がん保険への加入率を年齢別にみてみると、次のようになります。

がん保険の年齢別加入率を示した棒グラフ

年齢別のがん保険加入率

  • 20代:21.1%
  • 30代:40.6%
  • 40代:41.9%
  • 50代:41.8%
  • 60代:35.9%

上記の数字から、20代から30代にかけて加入者が倍増していることが分かります。

これには、30代や40代になると世帯収入が増え、保険に加入しやすくなるなどの背景があるようです。

また、20代はがんにかかる可能性が低い世代のため、「保険にお金をかける必要はない」と考える人も多いのでしょう。

しかし、保険の種類によっては、若いうちに加入した方がお得になるものもあります。また、がん保険には、がんやがん以外の病気を発症してしまうと加入できなくなるものもあるため、若く健康なうちに加入しておくことも大切です。

ライフステージによる加入率への影響

がん保険への加入率は、ライフステージも大きく関係しています。特に関係しているのは、結婚の有無や子供の年齢です。

未婚者の加入率が23.6%であるのに対し、既婚者で末の子が中学生や高校生である場合の加入率は48.5%、既婚者で末の子が短大や大学、大学院生である場合は45.2%です。これは、子供の教育にお金がかかることが背景にみられます。

文部科学省の調査によると、中学生以上にかかる教育費の目安は次のようになっています。

公立中学生

  • 年間約48万円(※1)

私立中学生

  • 年間約96万円(※1)
(※1)その他、学習塾など学校外の活動にかかる費用

公立高校生

  • 年間約45万円(内訳は学校教育費が約28万円、学習塾など学校外の活動費が約17万円)

私立高校生

  • 年間約105万円(内訳は学校教育費が約71万円、学習塾など学校外の活動費が約25万円)

国立大学生

  • 入学料と4年間の授業料の合計で約240万円

公立大学生

  • 入学料と4年間の授業料の合計で約254万円

私立大学生

  • 入学料と4年間の授業料合計で約390万円

*参考:平成30年度子供の学習費調査の結果について

これらの他にも、制服や部活にかかる費用など、雑費もさまざま。大学生の場合、自宅から通えない場合は一人暮らしをすることにもなります。

そのため、これらの教育費が必要な時期にがんにかかってしまうと、家計に大きな負担となり、子供が望むような進学ができなかったり、貯金を切り崩す必要がでてきたりしてしまうでしょう。

家計や家族へ負担をかけないようにすることも、がん保険に加入する大きな目的となっているのです。

がん保険は何歳まで必要なの?

まず結論からいうと、がん保険にいつまで入っておくべきという明確な定義はありません。しかし、保険期間は終身タイプが一般的です。

終身タイプとは、一生涯保障が続き、保険料が一定で月々の保険料が変わらない保険のこと。基本的には一生涯支払いをすることになっていますが、中には保険料の払込期間を指定できる場合もあります。

この場合、指定した期間までの保険料は普通より高くなりますが、保険料を支払い終われば、その後は保険料を支払わなくても一生涯保障が続きます。

また、終身タイプの他に定期タイプがあります。定期タイプとは、自分で保障期間を決めて、その期間だけ保険料を支払い、保障を受けるというもの。

このタイプは、期間が来るごとに再加入という形をとるため、再加入する度に保険料が上がっていく仕組みとなっています。

30代や40代の間だけの加入であれば、定期保険の方が安く済ませられますが、がんになる確率が上がる50代以降からは、保険料がぐんと高くなります。一方、終身タイプは保険料が一定なので、年齢が上がっても保険料が上がることはありません。

このことから、終身タイプを選ぶことが一般的となっています。

がんのリスクが高まるのは何歳?

がんにかかる確率は男女とも60歳代から増加し、高齢になるほど高くなります。しかし、逆に若い世代のがんの発症率は低く、60歳までにがんにかかる確率は男性が約8%、女性が約11%となっています。

上記により、若いうちから保険に加入しても杞憂に終わる可能性は否めません。しかし、確率が低いとはいっても、必ずがんにかからないという保証はありません。誰もがいつでもがんになるリスクを背負っているのです。

ここで一つ注意したいのが、がん保険は「がんになってから加入することはできない」ということです。

そもそも保険とは、起こる可能性の低い事態に備え、その事態が起こったときのダメージを最小限に抑えるというものです。実際にがんになったときに、少なくとも経済的なダメージを緩和することが保険の目的です。

月々数千円ずつ保険料を支払い、それを積み重ねることが安心につながるのです。早期に保険に加入することに無駄はないでしょう。

がん保険には若いうちから入るべき?

がん保険は若いうちに加入した方が有利です。なぜなら、若いうちに加入すると一回当たりの保険料を安く済ませることができるからです。

ここで、25歳と45歳を例に挙げ、ある保険会社のがん保険の保険料を参考にして、保障内容が同じ保険の年齢による保険料の違いを比較してみます。

25歳と45歳の個人の保険料の差を示したグラフ
  • 25歳男性⇒月々の保険料は2,014円、85歳までの保険料総額は145万80円
  • 45歳男性⇒月々の保険料は4,038円、85歳までの保険料総額は193万8,240円
  • 25歳女性⇒月々の保険料は2,457円、85歳までの保険料総額は176万9,040円
  • 45歳女性⇒月々の保険料は3,849円、85歳までの保険料総額は184万7,520円

以上のことから、男女ともに月々の保険料の差額が1,300円~2,000円になり、85歳までの保険料の総額も、若年で加入した方が安いケースもあることが分かります。

また、若年で加入した方が保険に加入できている時間が単純に長いという観点で有利であることはどこの保険会社でも変わらないでしょう。何歳から入るべきか迷った際は、早めに加入の検討するのもよいでしょう。

【時系列比較】がん保険加入者数の推移

がん保険の加入率は、年々増加しています。生命保険文化センターの調査によると、平成13年のがん保険の加入率は、21.2%とおよそ5人に1人の割合でした。

しかし、令和元年には42.6%となり、およそ2人に1人が加入しています。

*参考:令和元年度「生活保障に関する調査」(令和元年12月発行)

これは昭和56年より、がんが日本人の死因の第1位となっていることや、がんと闘っていることを公表する有名人が増えてきていることで、がんに備える必要性を感じている人が増えていることが背景にあるようです。

実際に厚生労働省が発表したレポートによると、がんにかかる人の割合は男性で2人に1人、女性で3人に1人と推測されています。

がん患者が増える一方で、がんの治療方法にも発展がみられ、早期の発見が可能となったり、治療によって健康な生活が送れるようになったりと、がんは決して恐ろしい病気ではなくなってきています。

しかし、治療にはお金が必要です。中には保険適用とならない治療方法もあるため、予想以上にお金がかかることもあるでしょう。がんにかかっても、しっかり治療に専念できるように、がん保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

・当サイトは、各保険の概要についてご紹介したものです。取扱商品、各保険の名称や補償(保障)内容等は引受保険会社によって異なりますので、ご契約にあたっては、必ず各引受保険会社の「重要事項説明書」をよくご確認ください。ご不明な点等がある場合には、代理店までお問い合わせください。

・このご案内には保険商品内容のすべてが記載されているわけではありませんので、あくまで参考情報としてご利用ください。また、必ず各引受保険会社の「契約概要」やパンフレット等で保険商品全般についてご確認ください。

・お引受内容により保険料が異なる場合がありますので、実際に適用される保険料については代理店または引受保険会社にお問い合わせください。

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