夫婦で考える生命保険!万が一に備える死亡保障から医療保険まで
更新日:23.01.10
夫婦で「お金」に関する話をしていますか? 家のローンや子供の教育資金、生活費などさまざまな話題がありますが、万が一に備える生命保険は特に重要なポイントです。
この記事では、夫婦でどんな生命保険に入るべきか、どんな保険があるのか、基礎的な知識から生命保険の選び方まで詳しく解説しています。
目次
夫婦の生活を考えて…結婚後に保険を選ぶ目的とは
そもそも、なぜ夫婦に保険が必要なのでしょうか?保険加入の理由である「起こりうるトラブル」をピックアップしてみました。
病気やケガ
夫婦のどちらか一方が病気やケガをした場合、治療費や療養中の生活費をどう工面するかが問題となります。
健康保険が適用される治療費については、窓口で支払う1ヶ月の上限額が年齢・所得に応じて決まっているため、すぐに治療費が高額になる心配をする必要はありません(※1)。
しかし健康保険が適用されない治療費や、療養中の生活費はカバーできないので、民間の医療保険など、ほかの手段で備える必要が出てくるのです。
死亡
万が一夫婦のどちらかが亡くなってしまった場合の備えも必要です。葬儀費用や生前に借入をしていた場合の返済に充てる資金を確保する必要があります。
ほかにも法事や、相続の手続きをしたりなど、やらなくてはいけないことが多く、相当ハードなスケジュールをこなさなくてはいけません。
生命保険である程度の資金を確保できる算段をつけておけば、少なくともお金の心配は減らせるので、生命保険への加入を検討する価値はあるはずです。
老後の生活費不足
日本で暮らしている限りは、全員が国民年金に加入しますが、老後に十分な金額をもらえないのも事実です。
国民年金の老齢基礎年金を例にすると、40年納付した場合の満額受給額の場合で令和3年4月分からの年金額は年間780,900円となっています(※2)。1人月65,075円しかもらえない計算ですので、足りない分の生活費を確保する手段を確保しなければなりません。
手段の一つとして、個人年金保険を契約し、長い期間をかけて生活費を確保するという方法もあります。
※2【日本年金機構】老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
夫婦型には注意すべき?夫婦で医療保険に入るメリットとデメリット
夫婦だからこそ利用できる医療保険として、夫婦型保険があります。一般の医療保険は、正確には本人型医療保険といって、保障の対象となるのは本人のみですが、夫婦型保険の場合は、本人と配偶者が保障の対象となるのです。
夫婦型保険のメリットとデメリットについて解説しましょう。
メリット
ひとつの保険商品を契約するだけなので、月々の保険料の支払い手続きなど、管理が非常にしやすくなっています。複数の保険商品を契約すると状況が把握しにくい、と考える人には魅力でしょう。
また夫婦で別々に医療保険を契約するより保険料を安く抑えられる場合も多いです。保険料の節約という観点からは、夫婦型保険は非常に有利です。
デメリット
最大のデメリットは、主契約者になっていた人が亡くなってしまうと、保障が受けられない点でしょう。
主契約者の夫に万が一のことがあったら、妻も保障を受けられなくなります。離婚してしまった場合も夫婦であるという前提が崩れるため、保障の対象外です。
また子どもができた場合も、夫婦型保険では子どもの保障はカバーできません。新たに子どものために別の保険商品を契約する必要があります。
さらに保険料を支払うのは主契約者であるため、主契約者以外は生命保険料控除を受けられません。これは夫婦別々に保険を契約した場合と大きく異なる点です。
夫婦の生命保険!選び方のコツは?
ここまでの内容を踏まえ、生命保険の選ぶうえでのコツを紹介しましょう。
共働きなら死亡保障は最低限で
共働きで、さらに子どもがいない夫婦なら死亡保障は葬儀代を賄える程度の額で十分でしょう。
死亡保障を抑えて浮いた分を貯蓄に回したり、医療保険でカバーされる範囲を広げたりすべきです。
どちらか一方が病気や怪我で長期療養を余儀なくされる場合、ある程度の治療費や生活費を確保できた方が、精神的な安心感が大きく違うからです。
子供のために学費を確保する
子どもができた場合、将来の学費を確保するための手段を検討しましょう。長い期間コツコツかけて積み立てをしたいなら学資保険がおすすめです。
ただし実際に商品を選ぶ際は、将来的な返戻率の推移にも注意しましょう。商品によってその推移や満期の返戻率が異なるため、契約条件によっては満期を迎えたときに受け取れる金額が、それまでに払い込んだ保険料の累計額を下回ってしまうケースもあります。
本当に必要な保険だけを検討する
将来のリスクに備えたい気持ちはわかりますが、あれこれ保険を契約して、月々の保険料の支払いが家計を圧迫しては本末転倒です。
「自分たちにはどんな保障が必要か」「保険以外に備える手段はないのか」を考え、優先順位をつけて保険を検討するのがおすすめです。
共働きの夫婦ならお金のリスクは低い?
夫には高額な死亡保障を付けていても、妻には医療保険のみといった夫婦も多いはず。しかし、もし共働きの妻に万が一の事態が起こったら?
保険もリスク分散の視点で考える必要があるのではないでしょうか。考え方のポイントを紹介します。
「万が一の事態」は他人事じゃない
平均寿命は世界トップクラスの日本ですが、年間の死亡数は約138万人(*3)。これは年間で全人口の91人に1人、また23秒に1人が亡くなっていることになります。
死因別で見ると、割合の多い順にがん、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎などに続いて7番目に不慮の事故という結果に。特に20、30代の死因は他の年代と比べて不慮の事故が多く、いつ自分が事故に遭遇するか分かりません。
共働き世帯は、お互いの収入を頼りにしていることも多く、一方に万一のことがあれば家計は苦しくなり、決して共働きだからといて家計リスクが低くなるとはいえません。
*3令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況(厚生労働省)
万が一のときの備えは?
「万が一」のときの収入見込みとしては、公的保障、企業保障、個人保障の3つがあります。
そのベースとして公的保障の「遺族年金」があり、家族構成や本人の加入している制度、在職中の平均収入などによって受け取れる年金額が異なります。
企業保障には「死亡退職金」や「弔慰金」があり、制度の有無や内容は企業によって異なりますので、確認しておきましょう。
個人保障は、公的保障や企業保障ではまかなえない分を補うために個人が任意で準備するもの。利用できる商品は多岐にわたっているので、目的を明確にし、家族構成やライフスタイルに合わせた判断が必要となります。
そんななかで、万が一のときの経済的な準備手段としてもっとも多いのが生命保険です。
必要保障額を把握しよう
必要保障額とは、住居費用や生活費、教育費など必要となるお金から、公的保障や企業保障、自己資産など、入ってくるお金を差引いたもの。生命保険に加入する際、保険金額をどれくらい準備すればいいかの目安となります。
もしも妻に万が一のことがあっても家計は大丈夫?
妻に不慮の事態が起こった場合、共働き夫婦の家計にはどんな影響があるのでしょうか。
共働きを前提に借りた住宅ローンや、妻の収入をあてにしていた教育費や生活費、子育てはどうするか…具体的に見ていきましょう。
住宅ローンはどうなる?
夫婦別々に住宅ローンを組んだ場合は、それぞれが団体信用生命保険に加入するので、妻のローンは保険金で相殺されます。
しかし住宅ローンは夫名義で借りることが多く、その際、夫のみ団体信用生命保険に加入するのが一般的です。この場合、妻に万が一のことがあっても住宅ローンの返済額は変わりません。住宅ローンを借りるときに妻の収入を合算するなど、妻の収入をあてにしていると、返済や生活費に窮することになります。
また妻に死亡保障がなく、18歳未満の子どもがいる夫は遺族基礎年金を受け取れますが、その額が妻の給料より低いと全体の収入はダウンし、その中で教育費や生活費を捻出しなくてはなりません。
教育費や生活費も負担大
子どもの教育費は、幼稚園から大学までオール公立でもざっと1,000万円。これが私立になれば2倍以上に膨らみ、さらに子どもの人数分必要です。
また月々の生活費は二人以上の世帯で平均30万円、子どもが結婚する時の援助金は約180万円という試算もあります。
小さな子どもがいる場合、夫婦であれば家事と育児を分担してこなせていたのが、夫一人となると仕事に支障が出たり、職場に配置転換をお願いして給料ダウンの可能性もあります。家事や育児の支援サービスを利用すれば、支出がかさみます。
参照:「平成30年度子供の学習費調査」(文部科学省) 、 「家計調査」(2021年4月分総務省)
死亡保障だけじゃない。医療保険も収入減に備えよう
妻が入院をともなう病気になった場合、長期化すればするほど医療費がかさみ、収入減につながります。
夫には手厚い医療保険をかけていても、妻の医療保険は安さだけを重視して保障内容は二の次といったケースも少なくありません。
妻の不在は夫に負担となり、家計にも影響を残します。ポイントを詳しく見ていきましょう。
病気やケガに備える保険は?
病気やケガにともなう入院や手術で給付金を受け取れるのが医療保険。がんで入院や所定の手術をしたときに給付金を受け取れるのががん保険です。
いずれも死亡したときに死亡保険を受け取れるものもありますが、金額は少額です。
収入のある妻の場合は、生活費や住宅ローンの負担分と家事・育児費用の増加分を考慮し、医療費+収入の補てんという視点で、医療保険、所得補償保険を検討してみてはいかがでしょうか。
生活設計によっては、住宅ローンの返済期間や子どもの教育費がかかる期間だけ、死亡保険金や入院給付金を厚くする、という方法もあります。
三大疾病への備え
日本人の死因の上位を占める三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になったときに保険金を受け取れる「特定疾病保障保険」があります。
死亡したときには死亡保険金を受け取れますし、三大疾病により所定の状態になったときには特定疾病保険金を受け取れる保険です。特定疾病保険金を受け取った時点で契約は消滅します。
“所定の状態”とは、たとえばがんの場合、『契約後生まれて初めてのがんと医師により診断確定されたとき。ただし、責任開始から90日以内に乳房のがんと医師により診断確定されたときは対象外(上皮内がん、皮膚がんは対象外。皮膚の悪性黒色腫は対象)』といった具合です。
生命保険会社によって取り扱いが若干異なりますので、その他の疾病についてもしっかり把握しておきましょう。
どんぶり勘定の家計も見直しを
保険の見直しは大事なことですが、まずは家計の見直しから始めることをおすすめします。共働きはどんぶり勘定になりがちで、家計簿をつけていなかったり、貯蓄ができていないことも。支出を把握し、家計を見直せば妻の家計への貢献度も分かるというものです。押さえておきたいポイントは以下の3点です。
夢や目標を描く
漠然と収支項目を確認するのではなく、まずはライフプランとマネープランを立てましょう。子どもの入学や独立、マイホーム取得など、人生の節目で必要な資金が違ってきます。将来の夢や目標も含めて2人で話し合い、共有しましょう。
お互いが把握することが大切
共働き夫婦は、お互いの収入をはっきりとは知らない、ということが意外とあるもの。家計管理の第一歩は夫婦で給料明細や貯蓄額を確認し合うことです。
そのうえで1年の予算配分を決め、費用をどう分担・管理するのか、夫婦でやりやすい方法を選ぶといいでしょう。
定期チェックを
1年ごとの収支の確認に加え、家計の無駄がないか、貯蓄ができているかなど、2人でチェックしましょう。
生活環境の変化や子どもの成長に合わせ、ライフプランやマネープランの再チェックも。夫婦がお互いに家計を把握していれば、保険の見直しもしやすくなります。
まとめ
「夫に高額な死亡保障をつけているから安心」という気持ちはわかりますが、それは正しくありません。
妻も家計を支えている以上、万が一のことがあれば夫に家計の負担がすべてのしかかってきます。
家族がきちんと生活していけるように、妻の備えも万全にしたいところです。その際、公的保障、企業保障がどれくらい受けられるか、また住宅事情やライフプランなどによって必要保障額は変わってきます。 あらためて家計を見直し、複雑な必要保障額の計算は保険の専門家に相談するのがおすすめです。ベストな保険で、安心の共働きライフを送りましょう。
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・このご案内には保険商品内容のすべてが記載されているわけではありませんので、あくまで参考情報としてご利用ください。また、必ず各引受保険会社の「契約概要」やパンフレット等で保険商品全般についてご確認ください。
・お引受内容により保険料が異なる場合がありますので、実際に適用される保険料については代理店または引受保険会社にお問い合わせください。