個人事業主・フリーランス向け確定申告のいろは ~白色と青色、どっちがいいの?~


2月から始まる確定申告に向けてそろそろ準備を始めましょう。

そもそも確定申告とは何なのか、収入・所得・経費の関係、
白色申告や青色申告に必要な書類や提出方法など、確定申告の基本的なことを、初めての人にもわかりやすくイチから説明します。

帳簿のつけ方や税制面での優遇で、白色申告にするか青色申告にするか迷っている人も必見です。

何から始める?確定申告の準備

そもそも確定申告はなぜ必要なのでしょうか。所得税とは何のことなのでしょうか。

確定申告の基本から説明します。

確定申告とは

収入を得ている人は、国に所得税を納める義務があります。

会社員の場合は毎月の給料から所得税が天引きされ、払い過ぎてしまった分が年末調整によって戻ってくるしくみです。

しかし、個人事業主やフリーランスは企業に属していないので、 所得にかかる税金「所得税」を自分で計算して納めなければなりません。

この所得税を納めるための手続きが「確定申告」です。

なお、確定申告を行うことで住民税の申告は不要になります。

申告書はどこで入手?

税務署で白色・青色それぞれの確定申告に必要な書類一式が手に入ります。

国税庁のHPには、インターネット上で申告書の作成から送付までができる電子申告e-Tax(イータックス)も用意されているので、自宅やオフィスからも申告することができます。

収入と所得の違い

個人事業主やフリーランスが稼ぐお金を「収入」といい、 1月1日~12月31日の1年間に働いて稼いだ金額を「総収入金額」といいます。

また、収入を得るために直接かかった費用を「必要経費」といいます。

総収入金額から1年間の「必要経費」を差し引いたものが「所得」

個人事業主が仕事で得たお金は所得のうち「事業所得」に分類されます。

総収入金額-必要経費=事業所得

パン屋であれば、パンの1年間の売り上げが総収入金額になり、パンをつくるのにかかった材料費や水道光熱費などが必要経費、 利益の部分が事業所得となります。

事業所得から社会保険料控除や生命保険料控除、基礎控除など 所得額を引いたものが所得税の課税対象となります。

さらに、課税所得金額に税率を掛けて税額を算出します。

一連の流れを申告書に記載し、税務署に申告して払うべき税金を納めるのが確定申告のゴールです。

面倒な記帳。白色申告なら簡易な方法でOK

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。

まずは白色と青色、それぞれの違いを説明します。

白色申告

  • 記帳は簡易な方法でOK
  • 税制上のメリットが少ない
  • 作成書類:「確定申告書B」「収支内訳書」

青色申告

  • 原則は複式簿記で記帳。一定の帳簿を備えれば簡易な記帳でも可
  • 白色よりも手続きは多いが、税制上の特典がある
  • 作成書類:「確定申告書B」「所得税青色申告決算書」

税制のメリットを最大限に生かしたいのであれば青色申告を、まだ収入が少なく簡単に申告したい方には白色申告がおすすめです。

白色申告の記帳

白色申告者も1年間の所得金額を割り出すために、 毎日の取引を帳簿につけ、保存しておく義務があります。

帳簿とは家計簿のようなもの。

収入や経費に関する書類を見て、収支を帳簿につけていきます。

白色申告では、取引ごとに細かく書くのではなく1日の合計金額をまとめて記帳してもよいとされています。

記帳した帳簿やそれに関わる書類は5~7年保存しておかなければならないので、注意が必要です。

白色で申告するには、確定申告書Bと収支内訳書を作成する必要があります。

ここでポイントなのは、収支内訳書、確定申告書Bの順で作成することです。

収支内訳書には、収入、経費の内訳、所得金額、収入金額の明細、減価償却費を記入します。

確定申告書Bに収支内訳書の収入金額や所得金額を転記し、社会保険料や生命保険料などの控除金額を書き込んで、課税対象の所得金額から税額を算出して記入します。

稼いでいるなら、青色申告で特典を活用

税制上の優遇がある青色申告。

具体的にどんな特典があるのでしょうか。

青色申告制度を利用すると、青色申告特別控除を利用することができます。

主なものを紹介します。

10万円または65万円まで青色申告特別控除が受けられる

単式簿記では10万円までの控除ですが、 複式簿記で記帳すれば事業所得から最高65万円までの控除を受けることができます。

※複式簿記とは、取引を借方貸方の両面から記帳する簿記のこと。 慣れないうちは難しいと感じる人もいますが、 パソコンを使えば便利な会計ソフトがいろいろ出回っており仕訳が簡単にできるようになっています。 自分に合ったソフトを見つけて利用するのもよいでしょう。

損失を翌年以降に繰り越すことができる

個人事業を始めて数年は経費などがかさみ、赤字になることも少なくありません。

今年の損失分を翌年以後3年間繰り越して控除することが可能です。

家族に支払った給与を必要経費として計上できる

青色申告者の事業にもっぱら従事している配偶者や親族に支払った給与が適正な金額であれば、青色事業専従者給与として必要経費となります。

このほかにもさまざまな優遇を受けることができます。

利益が多い人ほど利用価値が高い青色申告。

複式簿記をマスターし、青色申告で申請してみてはいかがでしょうか。

青色申告制度を利用するには

白色申告は申告前に提出するものはありませんが、青色申告をするには事前に申請手続きが必要になります。

原則として青色申告を行う年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を所轄の税務署に持参または送付します。

つまり、令和2年1月~12月分を青色申告したい場合は 令和3年3月15日までに申請書を提出する必要があります。

なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。

青色申告者が亡くなって相続により事業を引き継いだ場合は、 亡くなった日によって決められた期限までに提出します。

新規開業をしてその年から青色申告を行う場合は、開業日から2カ月以内となります。

「個人事業の開廃業等届出書」も提出場所や方法が同じなので、同時に出すと手間が省けます。

開業届、青色申告承認申請書とも2枚複写の用紙ではないので、作成後に自分で控えを取っておきましょう。

参考:国税庁HP「所得税の青色申告承認申請手続」

まとめ

毎年個人事業主やフリーランスは、前年分の確定申告書を作成し 翌年2月16日から3月15日まで*に申告・納付します。

*コロナ期間は一か月延長

納付期限を過ぎると翌日から延滞税がかかってしまうので、 期日までに提出できるよう領収書やレシートの整理や日々の記帳など、 手の空いたときに準備をしておくのがおすすめです。

慣れない確定申告は誰もが戸惑うもの。

所轄の税務署で説明会や相談会を行っていることもあるので、 利用してみてはいかがでしょうか。

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