お金を貯める方法24選|貯金・支出削減・投資のおすすめノウハウを紹介
更新日:2023.04.26

お金を貯める方法としてまず重視したいのは、自分の収入と支出を把握して、お金を管理・運用することです。
お金を貯めるには以下の方法が挙げられます。
- 生活費(固定費・変動費)を減らす方法
- 効率の良い貯金の方法
- コツコツ積立投資で未来の大金を作る方法
上記にもとづき、お金を貯める方法について詳しく解説していきます。
お金を貯める際のポイント
目次
お金を貯める方法1|固定費を減らす方法10選

固定費とは、生活する上で毎月必ずほぼ決まった金額がかかる費用をいいます。家賃や水道光熱費、携帯料金、通信費、生命保険料などがその代表格です。
固定費を見直して削減することができれば、長期的な支出削減につながります。
自分が頑張り続けなくても自動的に固定費を減らせる点も大きなメリットです。
ここでは以下に挙げる固定費を減らす方法を10つ紹介します。
- 更新のタイミングで家賃交渉をする
- 収入に合った住居費へ転居する
- エコ家電に買い替える
- 風呂水を洗濯水として再利用
- ガス・電気の料金プランを見直す
- スマホをキャリアの新料金プランに乗り換える
- 格安SIMに乗り換える
- フリーWi-FiやポケットWi-Fiを利用する
- 生命保険を見直す
- 利用していないサービスやサブスクの料金をカットする
1.更新のタイミングで家賃交渉をする
賃貸物件に住んでいる人は、2年に1回の契約更新のタイミングで、家賃減額の交渉をしてみるという手があります。
うまくいけば少なくともその後2年間は、「家賃の減額分×24ヶ月分」を貯金に回すことができます。
家賃交渉を成功させるための流れは以下のとおりです。
- 近隣で、いま住んでいる部屋と性質が近い物件の家賃相場を調べる。築年数や間取り、周囲の環境などが近い物件の情報を集める
- 目標とする減額幅を決める。このとき、調べた家賃相場は減額幅を決める際の参考になる
- 大家さんや管理会社に家賃の減額を打診し、合わせて引っ越しを視野に入れていることを伝える。家賃相場を根拠として提示しながら、丁寧に話してみよう
近所に迷惑施設がやってきたり、高いマンションが建って日当たりが悪くなったりなど、その部屋の条件が悪くなった場合も、それが我慢できるなら家賃交渉のよい材料となります。
2.収入に合った住居費へ転居する
貯金ができない人は、そもそも収入と比較して家賃を払いすぎている可能性もあります。
一般に家賃の目安は収入の3分の1程度が望ましいとされています。もちろん、これより家が安い分には問題はありません。
例えば、毎月20万円の収入がある人なら、家賃は6万円以下に抑えると生活を圧迫する可能性は低くなるでしょう。
仮に家賃7.5万円の部屋に住んでいる人が、家賃6万円の部屋に引っ越せば、単純計算ですが、年間で18万円を貯金に回すことができるようになります。
3.エコ家電に買い替える
家電製品の進歩はめざましく、節電効果をうたう新製品(エコ家電)に買い替えることで電気代を節約することが可能です。
2008年の製品を最新のエコ家電に買い替えることで、年間に節約できる最大金額を以下にまとめました。
節約のためにわざわざ買い替えても、元が取れないケースもありますが、すでに古くなっている家電製品があれば、性能の良いエコ家電に買い替えることでプラスになる可能性があるので、検討してみてはいかがでしょうか。
4.風呂水を洗濯水として再利用
風呂桶に溜めた水を流してしまうのではなく、洗濯の際に再利用すれば、その分だけ水道代が節約できます。
1日おきに洗濯をする人が、1回の洗濯で50リットルの水を風呂から再利用する場合、1年間で2,190円を貯金に回すことができます。
365(日)÷2×50(リットル)×0.24(円)=2,190(円)
※水道代は1リットル=0.24円で計算
風呂の残り湯を使うことで、汗や体の油分などが洗濯物についてしまうことを心配する人もいるでしょうが、残り湯を使うのは洗うときに限定すれば、衛生面について問題はないとされています。
また適量の洗濯洗剤を使い、「すすぎ」で水道水を使えばにおいなども大丈夫です。
5.電気・ガスの料金プランを見直す
自分の生活スタイルに合った適切な電気・ガスの料金プランに変更することで、電気・ガス料金を節約できる可能性があります。
一般的に電気・ガス料金は、毎月一定の「基本料金」と、使った分に応じて請求される「従量料金」の2つから成り立っています。
基本料金も従量料金も、よく使用する時間帯や使用料の「枠」(契約アンペア数)によって料金プランが異なります。
同じ量の電気やガスを使用していても、料金プランが異なれば請求される料金は変わります。
利用している電力会社やガス会社のホームページに料金シミュレーションがあるので、ぜひチェックしてみましょう。
6.スマホをキャリアの新料金プランに乗り換える
3大キャリアといわれる「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」で携帯を契約している人は、キャリア各社の新料金プランに乗り換えることによって、大幅に携帯料金を節約できる可能性があります。
各キャリアの新料金プランの特徴を以下にまとめました。
・シンプルな1プラン制 ・国内通話料金5分まで無料 |
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・パケット量や通話サービスが決まったプランがなく、自分で組み合わせる | |||
・LINEのトーク機能や音声通話、ビデオ通話はデータ通信量にカウントされない |
同条件の場合、NTTドコモ、au、ソフトバンクのいずれも月々7,300円程度の料金がかかります。
新料金プランに乗り換えれば毎月4,000円以上、1年で5万円程度の貯金ができる可能性があります。
7.格安SIMに乗り換える
「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」の3大キャリアの回線を利用して通信サービスを提供している「格安SIM」に乗り換えることで、大幅に携帯料金を節約できる可能性があります。
代表的な格安SIMの特徴を以下にまとめました。
・使い残したデータ通信枠は永久に繰り越し可能 | |||
・ドコモショップで申し込み可能 | |||
・月550円の「カウントフリーオプション」に加入することでゲームやSNSのデータ消費を10分の1に抑えられる |
データ通信量が少ない人には、3大キャリアやその新料金プランではデータ容量が大きすぎて、料金が割高になります。
格安SIMに乗り換えれば、新料金プランよりもさらに月々1,000円程度、年間1万2,000円程度貯金に回すことができます。
8.フリーWi-FiやポケットWi-Fiを利用する
街中のさまざまなスポットで用意されている「フリーWi-Fi」や、持ち歩ける「ポケットWi-Fi」を利用することで、データ通信料の従量課金を節約できます。
毎月のスマホ通信量がよくギガ不足になり、データ通信量の枠を追加購入している人に向いています。
勤務先や移動中の自動車や電車内ではフリーWiFiの利用を検討してみましょう。
街中では、スターバックス コーヒーやドトールコーヒーといった大手チェーンカフェはフリーWiFiがあることも多いです。
外出先で大容量のデータ通信が必要な人は、ポケットWiFiを契約するのがお得になる可能性があります。
例えば、1ヶ月に100GBの通信料となった場合、NTTドコモなら7,315円かかります。もしポケットWiFiの「カシモWiMAX」と格安SIMの「LinksMate」を組み合わせて利用すれば、月々の料金は4,543円で済みます。
9.生命保険を見直す
月々の生命保険料を節約できる場合があります。
加入している生命保険のプランを見直して、必要のない保障内容があれば、保険料の安い別の保障プランを組み立てて乗り換えることができます。
また、複数の生命保険に加入している場合は、保障内容が重複していないかを確認しましょう。保障内容が重複しているのであれば、どちらか1つの保険を解約することで、生命保険料を浮かせることができます。
保険料の払い込みが長期にわたる保険商品もあるので、生命保険の見直しは長期的な固定費の節約になり、地味な作業ではありますが非常に効果的です。
10.利用していないサービスやサブスクの料金をカットする
月額が定額料金のサブスクリプションサービス(サブスク)は、加入しているのを忘れていたり、利用できなかった月でも料金は必ずかかります。
利用していないサブスクはすぐにでも解約してしまいましょう。その浮いた分のお金は貯金に回すことができます。
例えば、使っていない有料アプリや通っていないフィットネスジムの月会費、定期購入しているサプリメントなどは解約の対象として検討してもよいでしょう。
また、ウォーターサーバーの水など、より安い手段で代替できるサービスがあるなら、解約を検討してもよいでしょう。
例えば、ウォーターサーバーの水の定期配達の場合、最安水準で500ml当たり53円ほどかかります。これをペットボトルのミネラルウォーターで代用するなら、ネット通販でも500ml当たり30円程度で済むため、ウォーターサーバーより4割程度割安になるケースがあります。
お金を貯める方法2|変動費を減らす方法11選

変動費とは、固定費とは異なり、自分の裁量で増減させることができる費用をいいます。例えば食費、日用品費、交際費などが該当します。
変動費を削減するには、継続的な行動の改善が必要なことが多いです。
この後で紹介する方法をよく理解し、特に続けられそうなものに積極的に取り組みましょう。
この項目では下記のような、変動費を減らす方法11選をご紹介します。
- 自炊をする
- 電子レンジを活用する
- コンビニの利用を控える
- スーパーの見切り品や特売品を買う
- メルカリなどフリマアプリを活用する
- 金券ショップを利用する
- 公共の図書館を利用する
- マンガアプリの定額制を利用する
- 飲み会・食事会の回数を減らす
- ジェネリック医薬品を使う
- 医療費控除を申告する
1.自炊をする
自炊をすれば、外食したり、あるいは総菜や弁当を買うよりも食費がはるかに安く済みます。
毎日の夕ごはんを「1,000円の外食」「600円の弁当」「300円の自炊」で済ませる場合を比較します。
仮に月額に換算すると「外食が3万円」「弁当が1万8,000円」「自炊が9,000円」となるので、自炊は外食と比較して2万1,000円、弁当との比較して9,000円もお得になります。
自炊で食費を節約するには、休日など時間に余裕のあるときに作り置きをして、冷蔵庫や冷凍庫で保存しておくとよいでしょう。
節約レシピや作り置きレシピを紹介しているサイトや本がたくさんあるので、参考にしてください。
2.電子レンジを活用する
量が少なく、短時間の加熱で食べられる食材・料理は、ガスコンロより電子レンジのほうが費用が安く済みます。
大量で長時間の調理であれば、ガスコンロのほうが費用を節約できるので、用途によって賢く使い分けましょう。
例えば、火の通りにくい根菜などの下ごしらえには電子レンジを利用し、その後で煮込んでいく工程にはガスコンロを利用するなど、電子レンジとガスコンロのそれぞれの特徴を理解して使い分けるのがおすすめです。
3.コンビニの利用を控える

コンビニエンスストア(コンビニ)の利用を極力控えることで節約できる可能性が出てきます。
コンビニでは普段使いする幅広い商品が販売されています。コンビニをよく利用する人は、つい目に留まった不要な物や食べ物まで購入してしまいがちです。
コンビニで衝動買いを続けていると、1回当たりの金額は小さくても、長期で見ると着実に支出を増やし、貯金をする余裕をなくしていきます。
どうせ同じ物を買うなら、値段の高いコンビニより、値段の安いスーパーで買ったほうがよいといえます。
貯金をしたい人は、コンビニの利用を極力控えましょう。
4.スーパーの見切り品や特売品を買う
スーパーによっては見切り品・特売品のコーナーを設けていて、惣菜や弁当をその日のうちに売り切るため、閉店時間が近づくにつれ割引になったりします。
見切り品や特売品を利用することで、食費を大きく削減することが可能です。
よく利用するスーパーがあれば、閉店時間近くに何度か訪ねてみて、割引が始まる時間を確かめておきましょう。ねらいがうまく当たれば、500円の弁当が半額の250円で買えることも珍しくありません。
その日のうちに食べるのが基本ですが、総菜や弁当は冷凍保存することもできます。1週間程度の冷凍保存であれば、電子レンジで加熱すれば味に支障なく食べられます。
5.メルカリなどフリマアプリを活用する

フリマアプリで中古品でも品質的に問題ないのであれば、価格の高い新品より中古品のほうが安く買うことができます。
メルカリやジモティーに代表されるフリマアプリは、中古品を安く手に入れる際に非常に役に立ちます。
自宅の住所を取引相手に知られずに、買い物ができるフリマアプリもあります。メルカリなら「らくらくメルカリ便」の利用が便利です。
6.金券ショップを利用する
金券ショップの活用を習慣にすると、チケットを購入して利用する各種サービスを安く楽しめます。
外出や旅行の際の運賃は、金券ショップで株主優待券の切符を買うと安くなります。
よく出かけるレストランチェーンや百貨店などがある場合は、株主優待券で5〜10%程度の割引で販売されていることがあるので、チェックしておきましょう。
また、映画やイベントなどの前売り券が金券ショップに安く出ていることがよくあります。
映画であれば1,900円の通常料金が、金券ショップでは1,500円程度でチケットが売り出されていることも珍しくありません。
7.公共の図書館を利用する
読書や音楽・映画鑑賞などが好きな人は、無料で貸し出しを受けられる公共の図書館の利用を検討してみましょう。
ただし、公共の図書館には基本的に最新の作品はありません。人気作品は提供開始となってから、予約が多く入り利用まで長く待つことがあります。
公共の図書館は旧作を利用したいときに便利です。
8.マンガアプリの定額制を利用する
漫画・コミックを紙の本で読むことにこだわりのない人は、漫画・コミックが読み放題のサブスクを利用することで、かなりの節約が可能となります。
漫画・コミックが好きな人は、読みたい漫画・コミックをすべて購入するとなると、年間で多額の金額となります。
仮に大手週刊漫画雑誌を毎週3誌購入している場合、年間の購入代金はおよそ5万円程度にのぼります。
漫画・コミックが読み放題のサブスクは、月々800円程度の定額制で利用することができます。
サブスクでの年間利用料は1万円程度となるので、自分で紙媒体の漫画・コミックを購入するよりおよそ4万円も節約できるのです。
9.飲み会・食事会の回数を減らす
仕事でもプライベートでも付き合いは大事ですが、必要な会合に絞って飲み会・食事会の回数を減らすと、思いのほか交際費が節約になります。
例えば、1回5,000円の飲み会や食事会に週2回参加した場合、ひと月あたり約4万円の費用がかかります。
飲み会や食事会の回数を半分に削減できればひと月あたり約2万円に、年間で換算して約24万円の節約ができるということになります。
貯金をしたいと思う人は、やむを得ない付き合いの飲み会・食事会に絞って参加しましょう。
10.ジェネリック医薬品を使う
病院で薬が処方された場合、薬局でジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用を申し出ると、薬代を節約できます。
ジェネリック医薬品とは、医薬品が開発された際に申請された特許が切れた後、他の医薬品メーカーが作った同等の効果があるとされる医薬品のことをいいます。
後発医薬品メーカーは、新薬を開発する際のばく大な費用を負担する必要がないので、ジェネリック医薬品の価格を新薬のおよそ5割程度に抑えて提供しています。
あくまでも治療効果が優先なので、医師や薬剤師の意向にしたがうべきではありますが、「薬局でジェネリックにしますか?」と聞かれた場合には同意するのも一つの方法です。
逆に医師や薬剤師に対して、「ジェネリックは使えますか?」と質問してみるのもよいでしょう。
11.医療費控除を申告する
医療費控除とは、1年間に多額の医療費を支払った場合に、その額に応じて所得税が安くなる制度です。
医療費控除は、年間の医療費が10万円を超えた場合に適用されます。
なお、病院にかかった際の費用だけでなく、ドラッグストアなどで購入した風邪薬や下痢止め薬なども、医療費控除の対象に含めることができます。
ドラッグストアで医薬品を購入したときのレシートは、確定申告を行うために、捨てずに1年間保存しておきましょう。
医療費控除は年末調整では受けられず、確定申告を行う必要があります。
効率良くお金を貯める方法3選|口座分けや先取り貯金が有効

効率良く貯金をするために知っておきたい方法があります。
家計の収支を把握し、お金の置き場(口座)を決めて、それぞれお金を振り分けることが重要です。
以下の効率の良い貯金の方法について紹介していきます。
1.家計簿をつけて収支をきちんと把握する

家計簿をつけて収支をきちんと把握することで、貯金への意識が高まり、毎月お金を残そうという気持ちが強くなっていきます。
貯金作りには、毎月「いくらの収入に対し」「いくらの支出があったのか」を知ることが重要です。
収入に支出を合わせ、さらに支出を下回らせるようにしないと、貯金をすることはできないからです。
手軽に家計簿をつけたいなら「家計簿アプリ」がおすすめです。代表的な家計簿アプリを以下に挙げておきます。
銀行の入出金やクレジットカードの履歴から食費や光熱費などのカテゴリに自動で分類してくれる | |
レシート読み取り機能やクレジットカードとの連携で簡単に家計簿を作成できる | |
撮影したレシートをオペレーターが代わりに入力してくれる。レシートのほかに手書きの領収書や納品書にも対応 |
2.目的別に口座を分ける
貯金ができない人は、使えるお金があれば使い切ってしまうことが少なくありません。
そこで、貯金のお金を生活費のお金と混ぜず、置き場所(=口座)を分けてみましょう。
例えば、定期預金などの引き出しにくい銀行口座を利用して、貯金専用口座を貯金の目的別に作ると効果的です。
また、子どもの教育資金、住宅ローンの頭金、海外旅行の費用といった目的を決めて、それぞれに銀行口座を開設して利用すると便利です。
すぐに使う予定がないお金であれば、積立投資や資産運用など、あえてすぐに引き出せないようにしておくのも、お金を増やす効果的な方法といえます。
3.先取り貯金をする
毎月の給料が銀行口座に振り込まれたとき、お金を使う前に先に貯金する「先取り貯金」をすると、着実に貯金が積み上がっていきます。
あらかじめ毎月の貯金額を決めておき、給料が振り込まれると同時に先取り貯金をするとよいでしょう。
残念ながら、使った後の余った額を貯金しようと思っても、なかなか貯金は増えるものではありません。
積立貯蓄を設定しておけば、自分でお金を移動する手間が省けて、自ずとお金を貯めることができます。
このようにお金が自然と貯まっていく「仕組み」を作ることが大切です。
10代・20代・30代の収入と貯金のホントの事情

まずは10代・20代・30代の収入や貯金の事情について調べてみました。
10代の人はできる範囲でアルバイトをして稼ぎ、高い貯金の意識を持っています。
20代の人は、数年間で年収が増えていき、それとともに人によって貯金をしているかどうかの差が鮮明になっていきます。
30代の人は、20代の場合と同様に人によって貯金額の差が大きく開いていきます。
各年代のリアルな収入と貯金の事情を理解した上で、自分自身の貯金意識について考えていきましょう。
10代学生の収入を得ようとする意識は高い
SMBCコンシューマーファイナンスが15歳〜19歳の学生を対象に実施した「10代の金銭感覚についての意識調査 2021」によると、親からのお小遣いを含めて、ひと月あたり、高校生は平均で1万653円、大学生等は平均で3万5,388円の収入を得ています。
また、親からもらうお小遣いの平均金額は、高校生だと平均で月3,547円、大学生等だと平均で月8,269円となっています。
さらに、10代のうち5人に1人はフリマアプリなどで、ひと月あたり平均で2,471円の収入を得ています。
高校生・大学生などの10代の学生の場合、自分で収入を得ていこうという意識がある人は少なくないようです。
10代も貯金に対する意識が高いことが判明
SMBCコンシューマーファイナンスが15歳〜19歳の学生を対象に実施した「10代の金銭感覚についての意識調査 2021」によると、10代のうち全体の53.1%が貯金をしていると回答しています。
預貯金の平均金額は、高校生では8万6,773円、大学生等では21万6,215円でした。
貯金をしている理由を聞いたところ、56.4%の人が「将来のため」と回答しています。「買いたいものがあるため」「一人暮らしをするため」といったように、明確な目的を持って貯金をする人が多くいるようです。
10代の学生のうちから貯金に対する意識が高い人は決して少なくないことがわかりました。
20代の平均年収は200万円半ば~300万円半ば
国税庁から発表された「民間給与実態統計調査結果(令和2年分)」によると、20歳〜24歳の人は平均で260万円、25歳〜29歳は平均で362万円の年収を得ています。
男女別に見ると、男性は20歳〜24歳で平均277万円、25歳〜29歳で平均393万円の年収を得ている一方で、女性は20歳〜24歳で平均242万円、25〜29歳で平均362万円の年収となっています。
上記の年収から税金や社会保険料が差し引かれることを考えると、20代のうちから、それなりに毎月のやりくりを考えておいたほうがよい人が多そうです。
20代の貯金は人によって差が出てきている
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」によると、20代の金融資産保有額の平均(預貯金、金融商品などの金融資産の保有額の平均)は179万円でした。
20代の金融資産保有額の「中央値」は20万円でした。
ちなみに中央値とは、金融資産保有額を多い順から少ない順まで並べ、その中でちょうど真ん中の数値をいいます。
平均値は全体の一部である、金融資産が多い世帯に引っ張られる傾向にありますので、中央値のほうが平均値よりも調査対象の実情に合っているとされています。
上記の調査でわかった、金融資産の保有額の割合を下の表にまとめました。
金融資産が非保有 | 39.0% |
---|---|
金融資産が100万円未満 | 26.6% |
金融資産が100万円以上~200万円未満 | 11.5% |
金融資産が200万円以上~300万円未満 | 4.1% |
金融資産が300万円以上~400万円未満 | 4.5% |
金融資産が400万円以上~500万円未満 | 1.5% |
金融資産が500万円以上~700万円未満 | 3.2% |
上の表のとおり、金融資産保有額の格差が出てきていることが見て取れます。
30代になると男女間の収入格差が広がりつつある
国税庁から発表された「民間給与実態統計調査結果(令和2年分)」によると、30歳〜34歳の人は平均で400万円、35歳〜39歳は平均で437万円の年収を得ています。
男女別に見ると、男性は30歳〜34歳で平均458万円、35歳〜39歳で平均518万円の年収を得ています。一方で、女性は30歳〜34歳で平均309万円、35歳〜39歳で平均311万円の年収となっていました。
男性の収入は年が経つにつれて伸びていますが、女性は出産・育児を機にアルバイトやパートで勤めるようになる人も多くなるためでしょうか、30代に来て収入が上がりにくくなっています。
30代の貯金も20代と同様、人によって格差が広がる
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」によると、30代の金融資産保有額の平均(預貯金、金融商品などの金融資産の保有額の平均)は606万円でした。
30代の金融資産保有額の中央値は56万円でした。
上記の調査でわかった、金融資産保有額の割合を下の表にまとめました。
金融資産が非保有 | 36.3% |
---|---|
金融資産が100万円未満 | 17.9% |
金融資産が100万円以上~200万円未満 | 7.3% |
金融資産が200万円以上~300万円未満 | 5.9% |
金融資産が300万円以上~400万円未満 | 4.2% |
金融資産が400万円以上~500万円未満 | 2.5% |
金融資産が500万円以上~700万円未満 | 2.6% |
上記の表のとおり、30代の人は20代の場合と同様に、人によって貯金額の差が大きく開いていることがわかります。
年間で貯金できる金額は50万~70万円程度が目安
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」によると、20代の単身者が年間の手取り収入(臨時収入を含む)から貯蓄に回している割合は平均で20%です。30代の単身者だと平均16%となっています。
20代の平均給与は年間260万〜362万円ほどなので、年間50万〜70万円程度の貯金ができる計算となります。
一方で、30代の平均給与は年間400万〜437万円ほどなので、年間60万〜70万円程度の貯金ができる目安となります。
お金を貯めることができない人の7つの特徴

貯金ができない人には、できない理由があります。
貯金ができない人と考えられる特徴は以下の7点が挙げられます。
- お金があればあるだけ使ってしまう
- お金の管理ができていない
- 予算など決めず買い物をするため、衝動買いやついで買いをしがち
- 値段が安いからといって無計画に買ってしまう
- 余ったお金だけを貯金している
- 外食が多い
- 忙しさを理由にお金のことは後回し
これらの特徴をしっかり把握した上でうまく対処していけば、貯金できる体質になることができます。
これから貯金ができない人の7つの特徴について詳しく解説していきましょう。
1.お金があればあるだけ使ってしまう
そもそも、収入の全額を使ってしまっては貯金できないのは当たり前のことです。
お金は貯めようと思わなければ貯まりません。
「貯金をしたいけど、何をしたらよいのかわからない」という気持ちで、この記事を読み始めた人は、すでに貯金体質に生まれ変わる道を歩き始めています。
最後まで読み進めて、貯金に取り組んでいきましょう。
2.お金の管理ができていない
お金の管理とは、収入と支出を把握して、貯金する分を差し引いたうえで、収支を合わせることです。
お金の管理ができていない人は、収支が合わなくなるのでお金が貯まりません。
会社勤めやアルバイトをしていれば、収入を把握するのは容易です。ただし、支出は自分自身で記録していかなければ把握できません。
お金の管理ができていない人は、何にいくら使ったのかを把握しようとしないため、使途不明金(使い道がわからなかった支出)が多く、その結果ムダ遣いが増える傾向にあるのです。
3.予算などを決めず買い物をするため、衝動買いやついで買いをしがち
必要なものをいくらくらいの予算で買うかを事前に決めておかないと、衝動買いやついで買いをしてしまいがちです。
気づけば支出が膨らんでしまうので、これではお金は貯まりません。
自分の中でお金を使う「基準」を決めておけば、基準に合わない衝動買いやついで買いを減らせます。
例えばお菓子について、次のようなルールを決めれば、それ以外の場面でお菓子をついで買いすることはなくなるでしょう。
- お菓子は1袋当たりの価格が高いコンビニでなく、1袋当たりの価格が低いスーパーで買う
- 仕事帰りに立ち寄ったときだけ購入し、それ以外のときには買わない
- 何のお菓子を食べたいか、それがいくらくらいかを思い描いてからスーパーに入る
ついで買いや衝動買いのよくあるパターンを以下にまとめました。
- コンビニをよく利用する人は、ペットボトルの飲み物や、レジ脇の小さなお菓子をつい買ってしまいがち
- 友人の買い物につきあうだけのはずが、友人が買っている姿を見てつい自分も欲しくなり買ってしまう
- 洋服のセールで、周りが勢いよく買っている雰囲気に流されて買い込んだ結果、家に帰って「何でこんな服買ったんだろう…」と思ってしまう
大切なのは、買おうとしているものが「必要かどうか」です。
買い物における明確な判断基準を持てば、ムダな出費を抑えることができます。
4.値段が安いからといって無計画に買ってしまう
値段が安いことを理由に物を買ってしまうと、結果的に使わず、お金のムダ遣いになることが少なくありません。
特に気をつけたいのは、セールやバーゲンです。値段の安さに心が高揚してたくさん買い込んでしまい、家に帰ってみると、着ない服やあまり好きではない食料品が多かったりするものです。
セールやバーゲンを賢く利用するためには、あくまで必要なものに限定することです。
使わないものを買い込んでしまっては、たとえ安い値段であっても、結果的に支出を増やしてしまうことになりかねません。
5.余ったお金だけを貯金している
貯金ができない人が「余ったお金を貯金しよう」と思っても、そもそもお金が余らないので貯金はできません。
お金が目の前にあると、つい無意識に使ってしまう人もいるでしょう。
「お金が余ったら貯金しよう」という考えだとお金は残らないものです。
仮に給料が月に1〜2万円減給された場合、ない袖は振れないので、どうにか支出を切り詰めて生活を成り立たせるでしょう。
貯金をするには、この「ない袖は振れない」の原理を使って、貯金する金額を「はじめからない」ものとして差し引いてしまうことが大事になります。
6.外食が多い
外食が多い人は、総菜や弁当を利用する人や、自炊をする人と比較して、貯金をするのは難しいといえます。
食事の席で人と交流するのはとても楽しいものです。ただし一度の食事代が、多ければ数千円単位でかかってしまいます。毎週1回の会食が、毎月2〜3万円程度の出費につながります。
一人でも美味しいものを存分に楽しむ場合でも、1回1,000円程度の外食を週に3回すれば、それだけで1ヶ月の食事代が1万円以上余分にかかってしまいます。
貯金をするという目的がある以上、外食の誘惑から逃げる勇気が必要です。
7.忙しさを理由にお金のことは後回し
貯金ができない人はお金を使うことが楽しかったり、内心では節約するのが面倒だと考えていることが多いでしょう。
そういう人は、仕事や遊びで忙しいことを理由に、お金のことを考えるのを後回しにしてしまいがちです。
大事なのは、はじめからお金の管理を完璧にしようと思わず、まずは小さなことから1つずつチャレンジしてみることです。その積み重ねが、貯金という目標達成につながります。
例えば、30分だけ時間を使ってスマホの料金プランを変更すれば、それだけで毎月数千円程度節約でき、1年で4〜5万円程度の貯金につながります。
たった1回の30分が大きな結果につながることがわかれば、やってみようという気になるのではないでしょうか。
コツコツ積立投資で未来の大金を作る方法2選

ここからは、手元にある自己資金を働かせる「投資」を活用して、未来の大金を作る方法を解説していきます。
活用したい投資・資産運用の制度は以下のとおりです。
投資でお金を作る際に肝に銘じていただきたいのは、「短い期間でお金を増やそうとしてもうまくいかない」ということです。
基本はのんびり積み立てをする気持ちで、お金を預ける先を預貯金から投資信託に変えてみるということになります。
1.積立投資(つみたてNISA、iDeCo)
積立投資とは、毎月と決まった間隔で、一定金額の投資商品(投資信託など)をコツコツ購入していく投資方法をいいます。
積立投資をする際には通常、証券会社に証券口座を開きます。この際、通常の証券口座とともに、つみたてNISAの口座も開設して活用しましょう。
つみたてNISAを利用すると、毎年40万円まで20年間、運用益から税金を引かれずに積立投資ができます。
通常の証券口座であれば、運用益の20.315%が税金として差し引かれてしまいます。仮に100万円の運用益が出たら20万3150円が税金として徴収されます。
一方でつみたてNISAの場合、運用益は非課税なので、利用者にとって非常に有利な制度といえます。
つみたてNISAでは一度設定してしまえばあとは何もしなくても、毎月着々と積立投資を続けることができます。
積立投資でもう一つ利用したいのが、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)です。
iDeCoでは、つみたてNISAと同様に投資の運用益に税金がかからないことに加えて、掛金(上限あり)が全額所得控除になり、所得税・住民税が安くなるという大きなメリットがあります。
iDeCoは、老後資金作りに特化した制度であるために、投資した資金は原則として60歳まで引き出すことができません。
資産を増やすことを視野に入れたいなら、つみたてNISA、iDeCoの特徴を理解した上で、少額からでいいので積立投資を始めてみるとよいでしょう。
2.面倒ならロボアドバイザーを活用する
証券会社に口座を開いて自分で判断して投資をするのがどうしても面倒だという人もいるかもしれません。
そういう人には「ロボアドバイザー」の活用も検討してみてはいかがでしょうか?
ロボアドバイザーは、投資・資産運用をロボットが自動で行ってくれるサービスです。
ロボアドバイザーで利用者が行うのは毎月定額の資金を拠出するだけ。あとはロボアドバイザーが、預かった資金の資産配分や金融商品の選定、発注などの資産運用を自動で行ってくれます。
自分自身の判断で投資をするよりも、ロボアドバイザーのコスト(手数料)はやや高くなりますが、長期的に資産を作っていきたいと考える人は、多少のコストを払ってもロボアドバイザーを活用するのも一つの選択肢といえます。
代表的なロボアドバイザーのサービスを以下に挙げておきます。
この記事のまとめ
お金を貯めるには以下のようにさまざまな方法があります。
- 生活費(固定費・変動費)を減らす方法
- 効率の良い貯金の方法
- コツコツ積立投資で未来の大金を作る方法
最も重要なのは、お金を貯めるための「仕組み」を作ることです。
家計の収支を把握してお金を着実に貯める「勝利の方程式」を作りましょう。
その後でお金をさらに増やすために、収入のアップや投資による資産形成を目指しましょう。
お金を貯める方法を一つひとつ着実に実行していくことで、お金が貯まる道は開けていくことでしょう。
監修者

ファイナンシャルプランナー(AFP)
FP(ファイナンシャルプランナー)兼編集者・フリーライターとして、主に投資・資産形成・資産運用のジャンルにて活動中。編集・執筆業務のかたわら、FPとして顧客相談に応じている。著書『米国株なんて買うな! インデックス投資も今はやめとけ! グローバル割安株投資』(ビジネス教育出版社)が好評発売中。